前回のつづき、英語の必要性について4回目の記事になります。
(前回までの記事はこちらから)
1回目:9割の日本人は英語を使わない!でも英語教育が必要なただ1つの理由
2回目:英語が必要な理由その2:英語をつかう職業をまとめてみた
3回目:英語が必要な理由その3:子どもを英語塾へ通わせるべきか?
学校の勉強にプラスアルファして、英語の塾や習い事をさせるべきかどうか?
その判断の目安となる5つのポイントを紹介します。
もういちど羅列すると以下の5つです。
- 小学生までに音から英語に親しんでいるか
- 小学生のうちに英語の文にも興味・関心をもっているか
- 中学生の段階で家庭学習の習慣を身につけているか
- 中学3年間の文法はバッチリか
- 中学・高校で、英単語と長文読解の正しい勉強法をしているか
ひとつひとつ解説していきますので、幼児から高校生まで、すべての年代の子をもつ親御さんの参考にしてください。
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1.小学生までに音から英語に親しんでいるか
外国語の習得には、「音」から入るのがもっとも効果的と言われています。
とくに乳幼児から小学校中学年(9、10歳)にかけての子どもは、大人よりも広い周波数帯の音を聞きとることができます。英語と日本語では周波数がちがうので、英語を早く聞きはじめた子どもほど、英語という言語にスムーズに慣れていくことができるでしょう。
英会話や英語の歌など、小さいときに英語をたくさん耳にしていれば、塾に通わせる必要もないでしょう。
逆に小4までぜんぜん英語を耳にしないで、学校の授業ではじめて英語を聞いたという子は注意が必要です。
英語に抵抗はないか、興味・関心をもって学んでいるか、注意深く見てあげてください。
もし小学生の子どもが「英語キライ!」なんて言っていたら、英会話教室などを検討してもいいでしょう。
2.小学生のうちに英語の文にも興味・関心をもっているか
ただ、英語を「聞く」「話す」だけでは十分じゃありません。
英語は4技能。「読む」「書く」ことも必要だからです。
[関連記事]
英語改革で受験はこう変わる② 4技能の外部テスト一覧
そこで小学生のうちから、英語の文にも興味・関心をもっておくことが大切です。
アルファベットからはじまり、かんたんなあいさつ文や、国名・人名、英語の絵本など、英語の文にたいする興味・関心を高めておくと、中学以降の勉強もスムーズになります。
こうしたはたらきかけがお家ですでにできている子は、塾に通う必要もないでしょう。
逆に、英語の文にぜんぜんふれていない小学生は、中学以降の勉強についていけるか、注意する必要があります。
たとえばこんな例がありました。
小5で塾にやってきたのですが、国語と算数を学ぶことが目的で、「英語はやらなくてもできる」と、本人も親御さんもタカをくくっていました。
そこでためしに「これ読んでみて」と「Hello」という英文を見せたところ、まったく読めなかったのです。
本人も親御さんもガクゼン。すぐに英語を「読む」勉強もはじめました。
こういう例はけっこうあって、帰国子女以外にも、英会話教室に長年通っていた子どもも同様です。
「英会話ができる」=「英語ができる」と思い込んでいるんですね。
「英会話ができる」=「英語ができる」ではありません。
たしかに英会話教室は音から英語に入るとっかかりとして最適ですが、会話だけでは「読む」「書く」力が身につかないんです。
こうした子どもには、英語の読みまでおこなっている英語教室や、音と文字がセットになった教材などがおススメです。
アルファベットの読み、英単語カードの読み、英語絵本の読み聞かせなど、「英語を読む」点までおこなっている教室や教材を検討するといいでしょう。
ひとつだけ教材を紹介しておきます。
3.中学生の段階で家庭学習の習慣を身につけているか
3つめのポイントは「家庭学習の習慣」です。
これは英語にかぎらず、どの教科にもいえることですね。
家庭学習の習慣のない子は絶対に伸びません。
なぜなら勉強量に圧倒的な差がつくからです。
とくに中学以降は勉強の量も増え、質も高くなるので、毎日おうちで1時間でも勉強できることが必要です。
小学生のうちから、こうした家庭学習の習慣が身についている子は、塾に行かなくてもいいでしょう。
逆に、中学生になっても「勉強しなさい!」と叱られて、それでもやらない子どもには、早急に対策が必要です。
このブログでは、「子どもに家庭学習の習慣を身につける方法」についてもアップするつもりです。近日中に公開しますのでご期待ください。
2019/1/18 追記
アップしたのにリンク付け忘れてました。
家庭学習の習慣をつけるためのコツはこちらから。
ただそれでも一向に習慣化しない、うちの子はもう勉強に向いてないのかと絶望する、なんて場合は、最後の手段として、学習塾か、あるいは家庭教師を利用するのもアリです。
4.中学3年間の文法はバッチリか
最近は軽視されがちな「文法」ですが、日常会話より上のレベルの英語をマスターしようと思ったら、文法の知識は必須です。
とくに中学3年間で学ぶ文法は、すべての英文の基礎です。
たとえば以下の例文なんて、ほとんど中学内容の文法でつくられています。
なんの文章かというと、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの、授賞式でのスピーチの冒頭です。
(引用:Nobelprize.orgより。こちらのサイトで全文を読めます)
ちなみに私訳も載せときます。
単語はともかく、文の構造、つまり文法は比較的かんたんにとらえられると思います。
中学までの文法知識で、こんな内容まで表現できるんです。
だから、子どもが中学3年間で文法をバッチリ身につけているか、定期テストの点数などで確認するといいでしょう。
もし定期テストでいつも80点、90点台だったら、塾に行かせる必要はないと思います。
逆に定期テストの出来がわるかったら、文法が身についていない可能性があります。
文法まで教えてくれる英語塾や、補習教材の利用を検討してもいいでしょう。
5.中学・高校で、英単語と長文読解の正しい勉強法をしているか
最後のポイントは、中学生から高校生にまで関わることです。
それは英単語と長文読解という、英語の勉強における2本柱について。
(文法もあわせて3本柱といってもいい)
この2つの勉強法が正しくないと、英語のレベルは上がっていきません。
つまり、英単語をおぼえるのに、効果的な勉強法をしているか?
また、長文読解の正しい勉強法をしているか?
この2点で、中学・高校での英語の学力が伸びるかどうかが決まってくるのです。
もし、英単語も長文読解も「そんなに苦労してない、やればやるだけ成績も上がる」というなら、塾に行ったりする必要もないでしょう。
逆に、「英単語はすぐ忘れちゃう、英語の長文なんて見るだけでイヤになる」というなら、すぐに対策が必要です。
英単語の勉強法と、長文読解の勉強法についても、このブログで近日中にアップします。
ただやはり、自分では怠けてしまうのでだれかに管理されたかったり、評判のよい塾が近所にあったりするなら、英語の塾に通うというのも手です。
とくに大学受験について豊富な知識のある学習塾がいいでしょう。
なぜならそうした学習塾は、大学入試においていかに英単語と長文読解(と文法)が大切かを知っています。だから英単語・長文読解の勉強に力を入れているところが多いのです。
まとめ
以上、
- 小学生までに音から英語に親しんでいるか
- 小学生のうちに英語の文にも興味・関心をもっているか
- 中学生の段階で家庭学習の習慣を身につけているか
- 中学3年間の文法はバッチリか
- 高校段階で、英単語と長文読解の正しい勉強法をしているか
という5つのポイントについて見てきました。
この5つがすべてOKなら、塾に通う・通わせる必要はありません。
もし5つのうち1つでもぬけているところがあれば、上で解説したような学習塾や教材を検討してみるといいでしょう。
そして、
これからやっと本題に入ります。
英語の勉強法について書いていきます。
つまり、
まだ小学生になっていない幼児さん、
まだ中学生になっていない小学生、
まだ高校生になっていない中学生、
そして英語で苦労しているすべての子どもたちのために、
「いまからできる、おうちでできる、英語を得意にする方法」を紹介します。
前置きが長すぎました。8記事も書いてしまった・・・。
次回から(いよいよ本当に)英語の勉強法です。
こうご期待!
→次の記事:英語のできる子の親は「7つの方法」で興味を持たせていた。ぜんぶ話そうと思う。
前回までの記事↓
≪2020年度からの英語の変更点について≫
1回目:英語教育はどう変わるの?文部科学省の発表をまとめてみた
2回目:英語改革で受験はこう変わる① 入試制度が変更される理由とは
3回目:英語改革で受験はこう変わる② 4技能の外部テスト一覧
4回目:英語改革で受験はこう変わる③ 大学入学共通テストとは何か?
≪英語の必要性について≫
1回目:9割の日本人は英語を使わない!でも英語教育が必要なただ1つの理由
2回目:英語が必要な理由その2:英語をつかう職業をまとめてみた
3回目:英語が必要な理由その3:子どもを英語塾へ通わせるべきか?
4回目:今回の記事
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