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ヨーロッパ

ヨーロッパの歴史の流れを超簡単にまとめてみた その2

投稿日:2017年4月19日 更新日:

こんにちは、重悟(ジュウゴ)です。

前回(ヨーロッパの歴史の流れを超簡単にまとめてみた)につづいて、ヨーロッパの歴史のおおきな流れをまとめてみました。

今回は「近世の後半から現代」までです。


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近世(15~18世紀)の後半:世界進出、植民地、資本主義の発展

オランダ・アムステルダム国立美術館

ヨーロッパの世界進出

ポルトガルとスペインが海外貿易で大儲けするのを見て、新興国のオランダと、イギリスやフランスも海外進出にのりだす。

そのころアジアでは貿易がさかんだった。
インド洋にはイスラム商人のつくったネットワークが、東アジアには朝貢貿易と倭寇による密貿易のネットワークがあった。
ヨーロッパはこれらの貿易ネットワークに仲間入りしていった。
だから日本にも鉄砲やキリスト教や金平糖が伝わる。

いっぽう大西洋にはこんな貿易ネットワークがなかった。
そこでヨーロッパ人が自分たちでつくりあげる。
具体的には、まずアフリカに武器を輸出する。
昔から紛争ばっかりのアフリカはこれを買って、かわりに黒人奴隷を輸出する。
奴隷は新大陸アメリカに運ばれて、サトウキビや綿花をつくる大農園(プランテーション)で強制労働。
できた砂糖や綿がヨーロッパに運ばれて、「紅茶に砂糖を入れて飲むわ」「毛織物よりコットンの服のほうがいいわ」と、金持ち大喜び。
これがいわゆるヨーロッパ→アフリカ→アメリカの三角貿易

大西洋の三角貿易

植民地

ヨーロッパ人のために大農園をつくって強制労働させる土地は、やがて「植民地」と呼ばれるようになる。
植民地はアジアにもしだいに増えていく。

とくにオランダはインドネシアを植民地化。
香辛料の一大産地だったから、オランダ大儲け。
17世紀にはスペインをぬいて、イギリスもおさえて、ヨーロッパでいちばん強い国になる。
なんせ鎖国下の日本でも貿易を認められちゃうくらいに。



資本主義の発展

海外進出で得をしたのは、貿易にかかわった人たち。
自前の船で商品を運んだり、大農園を経営したりして、超のつく大金持ちになっていく。
これが「資本家」の誕生。

オランダは国を挙げての商売国家なので、けっこうまんべんなくみんな儲ける。
逆にイギリスやフランスでは一部の人たちに金が集まる。
イギリスでは「ジェントルマン」といわれる階級が資本家に。
フランスでは第3身分とされた平民の一部が資本家になっていく。

こうして力をもった資本家たちが革命をおこし、近代に突入していきます。


近代(18~20世紀)の前半:市民革命と産業革命

ロンドンの街並み

イギリス革命

イギリスでは中世末から、貴族と平民のあいだの身分として「ジェントリ」というあたらしい階級が急成長。
とくに16世紀からの海外貿易で金をかせぎ、資本家となる。
そのころイギリスの王さまは好き勝手し放題。
不満たらたらのジェントリたちは王さまを殺して共和政に(ピューリタン革命)。

でもうまくいかなくて、王政にもどったら、また王さまが好き勝手。
そこで今度は自分たちの言うことをきく人を新たな王さまにして、平和的に解決(名誉革命)。
こうしてイギリスの王さまはいるだけの存在に。
じっさいの政治は貴族とジェントリ(≒ジェントルマン)たちが議会で決めるようになる。

アメリカ独立革命

おなじころ、北アメリカ大陸の東にイギリスの植民地ができる。
そこにイギリスから渡ったのは、社会のあぶれものたち。
派遣労働者とか、プロテスタントとか、港でさらわれた孤児とか。
イギリスにいても居場所がないから、新大陸で必死にがんばる。
やがてその子孫たちのなかには金持ちになって資本家となる者もでてくる。

金持ちになっても、税金を納める先はイギリス本国。
しかもけっこう高い。
「植民地だからってナメんなよ、もう本国に税金は納めない」ってことで、
独立戦争して、独立宣言して、アメリカ誕生。
連邦政府できあがり。
これでワシントンもジェファソンも税金を納める側からもらう側になったわけ。

産業革命

アメリカ植民地を失っても、イギリスはたいして困らない。
なぜならこのころ、オランダを追い抜いて、フランスとの戦争にも勝って、たくさんの植民地をもっていたから。
とくにインドの沿岸にはイギリスの拠点だらけ。
アメリカのように、このころ植民地には裕福になる人も増えていた。
「製品を大量につくったら植民地で大量に売れるやろ」とみこんだ資本家たちが、最先端の科学技術をとりいれて、大量生産をはじめる。

たくわえた資本で工場をつくり、機械を導入し、たくさんの労働者をやとって働かせる。
こうして資本主義が完成する。
大量につくられた製品は蒸気機関車で港に運ばれ、蒸気船にのせて植民地に届けられ、大量に消費される。
こうして人々の生活は一変していく。また資本家はいままでと段違いの大金を手にしていく。
これらの変化が「産業革命」

フランス革命

いっぽうそのころフランスの資本家たちは不満が爆発寸前。
だって金はあるのに権力がない。
聖職者や貴族たちは税金も免除なのに、自分たちはがっぽり持っていかれる。
階級的にも「第3身分」だし。
そこで資本家たちは、話のわかる貴族も味方につけて、フランス革命開始。

王さまを殺して共和政に。
でもみんなの不安が高まって、あげくナポレオンなんて英雄が登場しちゃう。
でもヨーロッパ中を相手にした戦争で負けて、結局また王政にもどる。
ただ資本家にとってはこの革命によって政治的な発言力が増したので、結果オーライ。
ちなみにこのあとの歴史も資本家たちが動かしていきます。


近代(18~20世紀)の後半:帝国主義、世界恐慌とファシズム、2度の世界大戦

広島の原爆ドーム

帝国主義

フランス革命は広まらなかったけど、産業革命はほかの国々にすぐ広まった。
だって「自由」や「平等」じゃ儲からないけど、労働者をやとって大量生産したら儲かるから。
フランスやアメリカも、18世紀から台頭してきたロシアも、産業革命を進めて強くなる。
そしてイギリスは最初の産業革命国だから、19世紀にはいちばん強い国となる。

でもそのうち、大量につくりすぎて製品があまる。
資本家「売るところがないなら国ごと支配してむりやり売りつけたらええやん」。
それで世界中を植民地に。
中国もアヘン戦争に負けてからは半植民地状態。
この商法を「帝国主義」という。
(この説明は従来の説です。イギリスの帝国主義に関する近年の説については「ジェントルマン資本主義」の記事を参照)

ちなみにそれまではヨーロッパよりアジアが強かったが、19世紀には力関係が逆転していた。
戦争ばっかりしてて産業革命も経験した軍は強いに決まってる。

こうして世界は欧米を中心とした構造となる。
ついでに資本主義とか産業革命とかも世界中に広まる。
また国には明確な国境があるとか、外交官を置くとか、条約を文書で交わすとかの、ヨーロッパが戦争ばっかりしてきたせいで生まれたルールも、世界中に広まる。

第一次世界大戦

19世紀後半になると、アメリカが大量の移民をうけいれて国力アップ。
組織も国も力の源は多様性です。
またドイツがやっと統一を果たして、ビスマルクという怖いおっさんのもとで国力アップ。
新興国が力をつけるには強権的な政治とナショナリズムが有効です。

こうして20世紀のはじめ、世界はイギリス、アメリカ、ドイツという3つどもえの展開に。
ここにフランスとロシアがからんでくるかたち。
1914年からイギリスとドイツの覇権争いがはじまる。
おおくの国をまきこんじゃって、世界大戦に発展。
総力戦だったので結果みんな疲れ果てる。
傍観していたアメリカがいちばん強い国となる。

アメリカとロシアの勃興

この第1次世界大戦で、武器の製造などに一般市民も大活躍。
結果、資本家だけでなく一般市民の政治的発言力も強くなる。
とくにアメリカでは、女性の参政権が認められ、安い値段で自動車や電化製品が買えるようになり、いまにつづく「大衆社会」ができあがる。

ちなみにロシアは大戦の途中で革命がおきて社会主義の国に
「お給料がみんなおなじ」という国をあげての実験は、労働者と植民地の人々のあこがれとなる。
こうしてアメリカとロシア(ソ連)が2つのちがった価値観を世界にアピールしていく。

世界恐慌とファシズム

でもアメリカは1929年にバブルがはじけて、世界恐慌開始。
イギリスやフランスは植民地をもっていたから、植民地とだけ貿易をしてなんとかのりきる。

いっぽうのドイツやイタリアは植民地をもっていないからたいへん。
もともとの不況にくわえてインフレがつづき、一気に生活が苦しくなる。
不安が高まると強い指導者を求めるのは世の常で、ドイツではヒトラー、イタリアではムッソリーニが独裁体制をしく。
これに日本の軍部をくわえて「ファシズム」とか「全体主義」とかと呼ぶ。

第二次世界大戦

ヒトラーは血の気が多くてイギリスを挑発。
イギリスも「もー我慢できん」ってことで、イギリスvs.ドイツの覇権争い第2弾が開始。
やっぱり世界中をまきこんじゃって、第2次世界大戦と呼ばれる。
今度はアメリカも参加する。
世界でいちばん強いアメリカのいるほうが勝つ。

2度の大戦をして、ヨーロッパはすっかり疲れ果ててしまう。
かつてのように世界に影響をおよぼすことはもうできなくなる。
こうして世界はアメリカとソ連に分割されていきます。

 

現代(20世紀~):東西冷戦、ヨーロッパ統合

冷戦(冷たい戦争)

ヨーロッパもアメリカとソ連に分割される。
西欧はアメリカ陣営に入って、資本主義のまま。
東欧はソ連陣営に入って、社会主義の国になる。

敗戦国のドイツは東西に分断される。
東ドイツのなかにある首都ベルリンも分割されて、西は資本主義、東は社会主義に。
だから西ベルリンは東ドイツのなかにポツンとある孤島みたいな感じ。

西欧はアメリカの支援のもと、経済復興。
とくに西ドイツはめざましく発展する。
東ドイツの人々「いいなー、資本主義側にはモノがあふれているなー」ってことで、西ベルリンに殺到する人多数。
あんまりみんな移転しちゃうので、東ドイツ側は東西ベルリンの境界に壁をつくって移動禁止。
これが「ベルリンの壁」。
冷戦の象徴となる。

ヨーロッパの統合

経済は復興したけど、世界はもうアメリカとソ連が中心。
ヨーロッパの立場は弱い。
第2次大戦後に、植民地もほとんど手放しちゃったし。
そこで「まとまって動いたら影響力もすごいんじゃね」ってことになり、西欧中心に統合がすすんでいく。

ヨーロッパの地域統合
(山川 詳説世界史図録)

でもイギリスは最初からヤル気なし。
「だっておれら19世紀には世界の中心だったんだぜ、いまさらまとまってって言われてもなー」。
このプライドが邪魔して、イギリスは21世紀前半にEUをぬけることになる。

西欧にくらべて、東欧は経済が停滞。
だっておなじ給料もらえるならサボるのが人間だから。
こうして共産主義という実験が失敗し、1991年にソ連解体。
東欧諸国も資本主義の国になる。
ベルリンの壁も崩壊。

そして現代のヨーロッパは・・・

東欧はつぎつぎにEUに加盟していく。
でもこれがEUにとってお荷物。
だって東欧の経済力は西欧にくらべて極端に低いから、かれらの分までドイツやフランス、イギリスが負担しなくちゃいけない。
これがイギリスのEU離脱の直接的な原因。

またロシアに近いウクライナなどの国は、ロシア側かEU側につくか、悩みどころ。
だってプーチンが大統領になってからのロシアは石油中心に経済を立て直してまた強くなったから。
しかもプーチン怖いし。
それで21世紀になっても、これらの国はロシア派とEU派で争って政情不安定。

ついでに東欧にはいろんな民族が住んでいて、どの国もたいてい多民族国家。
だから強力なリーダーがいないとすぐ分裂して紛争をはじめる。
ユーゴスラビアがティトーというリーダーの死以降、紛争ばっかりして7つの国に分裂したのもそう。
サッカー日本代表のハリルホジッチ監督もこの紛争で家を焼かれている。




現在(2017年)、EUの加盟国は28か国。
世界経済のなかでEUは約22パーセントを占めている(2015年の名目GDP)。
これはアメリカの25パーセントにつぐ2位で、中国の15パーセント、日本の5パーセントより上。

また政治では常任理事国5か国中3か国がヨーロッパ(ロシア、イギリス、フランス)。
ちなみに常任理事国とは国連安全保障理事会につねに参加できる国で、ようするに第2次大戦の勝利者のこと。

そして軍事では、2016年の軍備ランキングでロシアが2位、イギリスが5位、フランスが6位。
ちなみにロシアは世界一の核保有国で約7000発もっている。
イギリスは200発、フランスは300発です。

 

以上、ヨーロッパの歴史を超簡単にまとめてみました!

前回の記事:ヨーロッパの歴史の流れを超簡単にまとめてみた

他の歴史の記事:産業革命とは何か?いちばん本質のところを簡単に説明してみる。







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管理人の重悟(ジュウゴ)です。
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