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中学数学「1次方程式」文章題の解き方②【分配、年齢、貯金】

投稿日:2018年8月30日 更新日:

前回につづいて、中学数学「1次方程式」文章題の解き方のコツを解説していきます。

今回は「分配問題」「年齢問題」「貯金問題」の解き方について。

文章題がわからない、できないという中学生はぜひ参考にしてください。

 

 

方程式における「分配」「年齢」「貯金」の文章問題は、その解き方のコツがすべて同じです。

前回の記事でもすこし書きましたが、方程式を立てるとき、2段階にわけて考えればいいんです。

①分配したり、年月が経ったり、貯めたり下ろしたりした後の数を x を使って表す

②文に沿って等式(=方程式)をつくる

以下、具体的な解き方を見ていきましょう。


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分配問題の解き方

このような分配の問題、1次方程式の文章題ではたまにみかけますね。

兄から弟へ、または姉から妹へ、絵はがきやクッキーやおはじきを渡すという問題です。

方程式文章題の手順にそって、丁寧にやっていきます。

 

分配問題のコツは…

例題1)兄は絵はがきを37枚、弟は15枚持っている。兄から弟へ何枚か渡して、兄の枚数が弟の枚数より10枚多くなるようにしたい。兄から弟へ何枚渡せばよいか求めよ。

まず求めるものは「兄から弟へ何枚渡せばよいか」です。

よって一行目には、「兄から弟へ \(x\) 枚渡すとする」等と書きます。

 

次に方程式をつくります。

このとき、2段階にわけて考えるというのが解き方のコツになります。つまり、

①分配した後のそれぞれの数を表す

②文に沿って等式をつくる

です。

 

①分配した後のそれぞれの数を表す

兄は37枚持っていて、弟に \(x\) 枚渡しました。

兄はいま、何枚の絵はがきを持っていますか?

そう、\(37-x\) 枚ですね。

また弟は15枚持っていて、兄から \(x\) 枚もらいました。

弟はいま、何枚の絵はがきを持っていますか?

そう、\(15+x\) 枚ですね。

 

このように、まず分配後のそれぞれの枚数を \(x\) を使って表します。

それから初めて、方程式(等式)を作っていくんです。

 

②文に沿って等式をつくる

前回解説した「残金の問題」と同じように、「分配の問題」にも、文章中に等しい関係を表す文が必ずあります。

この例題の場合は「兄の枚数が弟の枚数より10枚多くなる」が、それです。

この文に沿って、あれこれ難しく考えず、等式をつくればいいんです。

つまりこれ。

$$ 37-x=(15+x)+10 $$

 

こうして方程式がつくれたら、あとは方程式を解き、確かめをして、答えを書くだけです。

\begin{eqnarray} 37-x &=& 15+x+10 \\ -x-x &=& 15+10-37 \\ -2x &=& -12 \\ x &=& 6 \end{eqnarray}

答.6枚

 

以上のように、分配の問題では、

①分配後のそれぞれの数を \(x\) を使って表す

②等しい関係を表す文どおりに、等式をつくる

という2段階にわけて方程式を立てるといいでしょう。

 

練習問題

分配の練習問題を2つほど載せておきます。

上の解き方にそって、解いてみてください。

なお解答はドラッグで反転すると現れます。

また方程式文章題の基本の解き方を忘れたという人は、前回の記事を参考にしてください。

問1)クッキーを姉は15個、妹は6個つくった。姉から妹へ何個か渡すと、姉の個数が妹の個数の半分になった。姉から妹へ何個渡したか?
答)8個

問2)花子とアンはおはじきを20個ずつ持っている。アンから花子へ何個か渡すと、花子の個数はアンの3倍より4個多くなった。アンから花子へ何個渡したか?
答)11個

 

 

年齢問題の解き方

次に年齢の問題について解説します。

1次方程式の文章題では、これらの例題のような年齢問題もよく出てきます。

わからない・できないという中学生も多いですが、安心してください。

解き方のコツは分配問題といっしょです。

 

年齢問題のコツは…

例題2)現在、父は48歳で子は14歳である。父の年齢が子の年齢の3倍になるのはいまから何年後か?

まずは例題2から解いていきましょう。

例題2の求めるものは「いまから何年後か」なので、一行目には「いまから \(x\) 年後とする」等と書きます。

 

次に方程式をつくります。

このときのコツも2段階。つまり、

①x 年後(または x 年前)のそれぞれの年齢を表す

②文に沿って等式をつくる

です。

 

① \(x\) 年後のそれぞれの年齢を表す

父はいま48歳です。

\(x\) 年後には何歳になりますか?

そう、\(48+x\) 歳ですね。

また子はいま14歳です。

\(x\) 年後には何歳になりますか?

そう、\(14+x\) 歳ですね。

 

このように、まず \(x\) 年後(または \(x\) 年前)のそれぞれの年齢を \(x\) を使って表します。

(わからないという中学生は、\(x\) の代わりに具体的な数字を入れて考えてみるといいでしょう。たとえばいまから5年後、父は何歳になりますか?そう、53歳ですね。「53」は何算で出しましたか?そう、\(48+5\) というたし算ですね。だからいまから \(x\) 年後の父の年齢は \(48+x\) 歳なんです)。

それから方程式(等式)を作っていきます。

 

②文に沿って等式をつくる

「年齢の問題」にもやはり、等しい関係を表す文が必ずあります。

例題2の場合は「父の年齢が子の年齢の3倍になる」が、それに当たります。

この文に沿って、あれこれ難しく考えず、等式をつくるだけ。

$$48+x=3(14+x)$$

 

あとは方程式を解き、確かめをして、答えを書くだけです。

\begin{eqnarray} 48+x&=&3(14+x) \\ 48+x&=&42+3x \\ x-3x&=&42-48 \\ -2x&=&-6 \\ x&=&3 \end{eqnarray}

答.3年後

 

以上のように、年齢の問題でも、

\(x\) 年後(または \(x\) 年前)のそれぞれの年齢を \(x\) を使って表す

②等しい関係を表す文どおりに、等式をつくる

という2段階にわけて方程式を立てましょう。

 

練習問題

ちなみに例題3を解くと、以下のとおりです。

例題3)現在、母の年齢は46歳で、3人の子の年齢は16歳、18歳、20歳である。母の年齢が3人の子の年齢の和と等しかったのはいまから何年前か?

解)いまから \(x\) 年前とする。

\begin{eqnarray} 46-x&=&(16-x)+(18-x)+(20-x) \\ 46-x&=&16-x+18-x+20-x \\ -x+x+x+x&=&16+18+20-46 \\ 2x&=&8 \\ x&=&4 \end{eqnarray}

答.4年前

上で紹介した解き方のコツを使えば、方程式を立てるのもむずかしくないでしょう。

それでは年齢の練習問題も2つほど載せておきます。

(答はドラッグで反転)

問3)現在、祖父は71歳でふたりの孫は15歳と13歳である。祖父の年齢が孫の年齢の和の2倍と等しくなるのはいまから何年後か?
答)5年後

問4)母が24歳のときに生まれた子どもがいる。母の年齢が子の年齢の3倍になるのは、母と子それぞれ何才のときか?
答)母36歳、子12歳

 

 

貯金問題の解き方

最後に貯金の問題について解説します。

例題4のような、毎月貯めていったり毎月下ろしていったりする問題です。

この貯金問題も、分配問題や年齢問題と解き方はまったく同じです。

 

貯金問題のコツは…

例題4)Aは4000円、Bは2600円の貯金がある。来月からAは毎月300円、Bは毎月500円ずつ貯金していく。2人の貯金が等しくなるのはいまから何か月後か?

まず求めるものは「いまから何か月後か」なので、一行目には「いまから \(x\) か月後とする」等と書きます。

 

次に方程式をつくります。

もうコツはわかりますね!?

①x か月後(または x か月前)のそれぞれの貯金を表す

②文に沿って等式をつくる

この2段階の解き方でいけば方程式を立てることができます。

 

① \(x\) か月後のそれぞれの貯金を表す

Aは毎月300円の貯金を \(x\)か月しました。

貯まった金額は、\(300x\) 円になります。

それにもともと4000円持っていたのだから、Aの貯金はぜんぶで?

そう、\(300x+4000\) 円ですね。

またBは毎月500円の貯金を \(x\)か月しました。

貯まった金額は、\(500x\) 円になります。

それにもともと2600円持っていたのだから、Bの貯金はぜんぶで?

そう、\(500x+2600\) 円ですね。

 

このように、まず \(x\) か月後(または \(x\) か月前)のそれぞれの貯金を \(x\) を使って表します。

(わからないという中学生は、やはり \(x\) の代わりに具体的な数字を入れて考えるといいでしょう。たとえばAは毎月300円の貯金を5か月したとします。貯まった金額は1500円、これは \(300 \times 5\) というかけ算です。この1500円と、もともと持っていた4000円のたし算をして、Aの貯金額5500円が出ますね。よって \(x\) ヶ月貯金したならば、Aの貯金額は \(300x+4000\) なんです)。

それから等式をつくります。

 

②文に沿って等式をつくる

「貯金の問題」にもやっぱり、文章中に等しい関係を表す文が必ずあります。

例題4の場合、「2人の貯金が等しくなる」がそれ。

もうむずかしくないですね。

等式をつくりましょう。

$$300x+4000=500x+2600$$

 

あとは方程式を解き、確かめをして、答えを書くだけです。

\begin{eqnarray} 300x+4000&=&500x+2600 \\ 300x-500x&=&2600-4000 \\ -200x&=&-1400 \\ x&=&7 \end{eqnarray}

答.7か月後

 

以上のように、貯金の問題でも、

\(x\) か月後(または \(x\) か月前)のそれぞれの貯金を \(x\) を使って表す

②等しい関係を表す文どおりに、等式をつくる

という解き方でいくとカンタンに方程式をつくることができます。

 

練習問題

貯金の練習問題も2つ載せておきます。

(答はドラッグで反転)

上の解き方でがんばってみてください。

くりかえしになりますが、方程式文章題の基本の解き方が身についていないという中学生は前回の記事から復習してください。

また、それでもなおできない・わからない場合があれば、コメント欄から気軽に質問ください。回答します。

問5)兄と弟はともに1万円持っている。来月から兄は毎月1000円、弟は毎月2500円ずつ貯金していく。弟の貯金額が兄の貯金額のちょうど2倍になるのはいまから何か月後か?
答)20か月後

問6)姉は9500円、妹は5500円の貯金がある。ふたりとも来月から毎月500円ずつ貯金をおろして使うことにした。姉の貯金が妹の貯金の3倍になるのはいまから何か月後か?
答)7か月後

 

 

まとめ

「分配」「年齢」「貯金」問題の解き方のコツは、方程式を立てるときに次の2段階で考えること。

①分配した後や、x 年後(または x 年前)や、x か月後(または x か月前)のそれぞれの数を x を使って表す

②文章中の、等しい関係を表す文どおりに、等式をつくる

 

次回は1次方程式文章題の「整数、自然数」問題について解説します。

「ある数を4でわったら商が5であまりが2」とか。

「連続する3つの偶数の和が24」とか。

「2けたの自然数の十の位と一の位の数をいれかえて…」とかの解き方です。

中学数学「1次方程式」文章題の解き方③【整数、自然数】







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  1. 匿名 より:

    各練習問題の解答についてですが、解答だけでなく、その問題の式の過程も記載していただけると助かります(自分の答えが間違ってる場合等に、なんでこうなったのか問題に対しての理解力を深める為)。

    • じゅうご より:

      ご意見ありがとうございます。
      ですが、各練習問題はあえて解答のみとしています。
      理由は2つあって、
      ・解法はひとつではないから
      ・過程を自分で考えてアウトプットする訓練が大切だから

      過程を書いてしまうと、このどちらも損なわれてしまいます。
      (だから私は、高校生がぶあつい解法例の冊子をみながら写している勉強法にも反対です。「どう解いたらいいか」を自分で考える訓練がたりないまま「わかった気になる」からです)。
      どうぞご了承ください。
      過程に不安がある問題、わからない問題があれば個別に対応します、お申し付けいただければ。

      • 匿名 より:

        問題に対しわからないことが多いので、今後のコメントのやり取りや効率の事を考えての意見でもありましたが…。残念です。

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管理人の重悟(ジュウゴ)です。
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