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数学

中学数学「連立方程式」文章題の解き方②【整数、過不足問題など】

投稿日:2019年11月3日 更新日:

連立方程式の文章題、2回目です。

今回から問題パターン別の解き方のコツを解説していきます。

まずここでは

  • 分配の問題
  • 整数、自然数の問題
  • 平均の問題
  • 過不足の問題

という4パターンについて。

道のり問題、割合の問題などは次回以降に解説します。

それぞれの問題のコツを端的に伝えるとともに、練習問題も載せますので、ここでつまずいているすべての中学生の参考にしてください。

[前の記事]連立方程式 文章題①【立式のコツ】

[次の記事]連立方程式 文章題③【速さ・時間・道のり問題】

分配問題のコツ

このような分配問題におけるコツは以下の2つです。

  • \(x+y=\mbox{(分ける前の合計)}\)」でひとつ式が立つ
  • 難しければ、分配後の数を \(x , y\) で表してから式をつくる

解き方

例1)森崎くんと安田くんで20本の牛乳を分けあったら、安田くんの牛乳の本数は森崎くんの牛乳の本数の2倍より2本多かった。それぞれの牛乳の本数を求めよ。

まず「森崎くんの牛乳を \(x\) 本、安田くんの牛乳を \(y\) 本とする。」と書きます。

次に連立方程式を立てていきますが、「20本の牛乳を分けあった」とあるので、

$$ x+y=20 $$

これはすぐに立てられる。

あとは後半の「安田くんの牛乳の本数は森崎くんの牛乳の本数の2倍より2本多かった」という文に沿って、

$$ y=2x+2 $$

とすれば、連立方程式が完成です。

このように、分配の問題では「\(x+y=\mbox{(分ける前の合計)}\)」でまずひとつ式をつくる。

これがコツのひとつになります。

(ちなみに答えは森崎くん6本、安田くん14本)

 

例2)鈴井くんと大泉くんは合わせて68枚の絵ハガキを持っている。鈴井くんが大泉くんに5枚渡したら、鈴井くんの枚数は大泉くんの枚数のちょうど3倍になった。鈴井くん、大泉くんがはじめに持っていた絵ハガキの枚数をそれぞれ求めよ。

例題2も同じです。

まず「鈴井くん、大泉くんがはじめに持っていた絵ハガキの枚数をそれぞれ \(x\) 枚、\(y\) 枚とする。」等と書いたら、

$$ x+y=68 $$

これは簡単にできますね。

難しいのは後半です。

そこで「鈴井くんが大泉くんに5枚渡した」後の枚数を、\(x , y\) を使って表してみましょう。

  • 鈴井:\(x-5\) 枚
  • 大泉:\(y+5\) 枚

この2つの関係が「鈴井くんの枚数は大泉くんの枚数のちょうど3倍」なんです。

$$ x-5=3(y+5) $$

と、もうひとつの式も立てられるはずです。

このように、分配後の数を \(x , y\) で表してから式をつくる。

これが立式が難しい場合のもうひとつのコツになります。

(ちなみに答えは鈴井くん56枚、大泉くん12枚)

 

練習問題

以上のコツは中1の「1次方程式文章題」でも詳しく解説しています。

あわせてご参考ください。

中学数学「1次方程式」文章題の解き方②【分配、年齢、貯金】

 

では、練習問題を2つ載せます。

ぜひチャレンジしてみてください。

解答は一行下をドラッグ反転、質問はコメント欄からどうぞ。

問1)大人と子供あわせて50人にアメを配る。大人には3個ずつ、子供には2個ずつ配ると、配ったアメは全部で138個になった。大人と子供の人数をそれぞれ求めよ。
答.大人38人、子供12人

問2)戸次くんと音尾くんの二人で15本の団子を分けた。皿に分け終えたあとに、戸次くんが音尾くんの団子を3本取ったので、戸次くんの団子の本数は音尾くんの団子の本数の3倍より1本少なくなった。はじめに皿に分けたときの、二人の団子の本数をそれぞれ求めよ。
答.戸次くん8本、音尾くん7本

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整数、自然数問題のコツ

このような整数・自然数問題のコツも2つです。

  • (わられる数)=(わる数)×(商)+(余り)
  • 「○△」という2桁の自然数の表し方は「10×○ +△」

解き方

例3)大小2つの整数があり、その和は51である。また、大きい数を小さい数でわると商が6で余りが2になる。この2つの整数を求めよ。

まず「大きい数を \(x\) 、小さい数を \(y\) とする。」等と書く。

「その和は51」とあるので、

$$ x+y=51 $$

ここまではいいですね。

問題は後半。

ここで多くの中学生が以下のようにしてしまいがちです。

$$ x \div y =6 \mbox{…2}$$

こんなふうに「…」があっては、連立方程式を解くことができません。

だから、正しくはこう立てます。

$$ x=6y+2 $$

(わられる数)=(わる数)×(商)+(余り)

この関係を使ってわり算を表すというのが、整数・自然数問題のコツのひとつです。

(ちなみに答えは大44、小7)

 

例4)2桁の自然数がある。一の位の数は十の位の数の2倍より1大きく、十の位の数と一の位の数を入れかえてできる数は、もとの数の2倍より4小さい。もとの自然数を求めよ。

また、このような2桁の自然数の問題では、「十の位の数を \(x\) 、一の位の数を \(y\) とする。」等とはじめに書きます。

なぜ各位の数字をわけて考えるのか?

こうすれば、この2桁の自然数が「\(10x+y\)」と表せるからです。

たとえば「42円」って、十円玉4枚+一円玉2枚ですね。

だから \(42=10 \times 4 + 2\) と表せる、これと同じことです。

ついでに「24円」は、十の位と一の位を入れかえているから \(10 \times 2 + 4\) 。

じゃあ……、もうわかりますね。

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} y=2x+1 \\ 10y+x =2(10x+y)-4 \end{array} \right.\end{eqnarray}

これが例題4の連立方程式になります。

以上のように、「○△」という2桁の自然数の表し方は「10×○ +△」、これが整数・自然数問題のもうひとつのコツになります。

(ちなみに答えは49)

 

練習問題

ついでに、3桁の自然数も4桁の自然数も同じ考え方でいけます。

「○△□」という3桁の自然数ならば「100×○ + 10×△ + □」です。

簡単ですね。

以上のコツも中1数学の以下の記事で詳しく解説しています。

あわせてご参考ください。

中学数学「1次方程式」文章題の解き方③【整数、自然数】

 

では、練習問題です。

解答は一行下をドラッグ反転、質問はコメント欄からどうぞ。

問3)大小2つの整数がある。大きい数の2倍は小さい数の7倍より3小さく、大きい数の3倍を小さい数でわると商は9で余りは6になるという。この2つの整数を求めよ。
答.大23、小7

問4)十の位が8である3桁の自然数がある。各位の数の和は、百の位の数の6倍になる。また、百の位の数と一の位の数を入れかえた数は、もとの数より396大きい。もとの自然数を求めよ。
答.387

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平均問題のコツ

このような平均問題のコツもやはり、2つあります。

  • 平均の公式を2種類とも使いこなす
  • クラスの平均点問題は表を書いて整理する

解き方

例5)36人のクラスで英語のテストをしたところ、男子の平均点は80点、女子の平均点は71点、クラス全体の平均点は75点になった。このクラスの男女の人数をそれぞれ求めよ。

「男子を \(x\) 人、女子を \(y\) 人とする。」等とします。

クラスの人数は合わせて36人なので、

$$ x+y=36 $$

ひとつはすぐ立式できますね。

ここからもうひとつ式をつくるときに、2つのコツが効いてきます。

まず平均の公式、2種類とも覚えていますか?

平均の公式

特に公式②を忘れている生徒が多い。

公式②を使えば、たとえば

  • 男子の合計点:\(80x\)
  • 女子の合計点:\(71y\)
  • クラス全体の合計点:\(75 \times 36\)

と表せます。

よって、(男子の合計点)+(女子の合計点)=(クラス全体の合計点)なので

$$ 80x+71y=75 \times 36 $$

と、もうひとつの式をつくることができます。

 

でも中には「クラスの平均点問題はごちゃごちゃしてて頭の中が整理できない」という中学生もいるでしょう。

そんな人にはもうひとつのコツ、表を書いて整理することをおススメします。

解答用紙の余白に、3列×2行のこんな表を書いてみましょう↓

問題が整理できるはずです。

あとはこの表から、上述の式を立ててもいいし、あるいは公式①を使って

$$ \frac{80x+71y}{36} =75 $$

と作ってもいい。両辺に36をかけたら同じ式となります。

このように、平均の公式を2種類とも使いこなす、そして難しければ表を書いて整理する。

これが平均問題のコツになります。

(ちなみに答えは男子16人、女子20人)

 

練習問題

以上のコツもやはり、中1「1次方程式文章題」で詳しく解説しています。

あわせてご参考ください。

中学数学「1次方程式」文章題の解き方④【平均の問題】

 

では、連立方程式文章題の平均にかんする練習問題です。

解答は一行下をドラッグ反転、質問はコメント欄からどうぞ。

問5)男子18人、女子12人のクラスで数学のテストをしたら、クラス全体の平均点は67点で、女子の平均点が男子の平均点より5点高かった。男女の平均点をそれぞれ求めよ。
答.男子65点、女子70点

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過不足問題のコツ

最後に、このような過不足問題のコツ。

連立方程式においてはたったひとつです。

  • 横棒グラフを描いてイメージする

解き方

例6)2000円を持ってお菓子を買いに行ったところ、ポテチ12個とキャンディ7個を買おうとすると120円不足し、ポテチ7個とキャンディ12個を買うと130円余ることがわかった。このポテチとキャンディの単価はそれぞれいくらか求めよ。

まず「ポテチの単価 \(x\) 円、キャンディの単価 \(y\) 円とする。」等と書きます。

次に連立方程式を作りますが、ここで「120円不足だから-120だ」「130円余るから+130だ」と安易に考えて

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 12x+7y=2000-120 \\ 7x+12y=2000+130 \end{array} \right.\end{eqnarray}

としたら間違いです。

理由は、下の図を見ればわかります。

このように横棒グラフのような図を描いてみれば、正しくは

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 12x+7y=2000+120 \\ 7x+12y=2000-130 \end{array} \right.\end{eqnarray}

だというのがわかります。

過不足問題において、「不足」や「余る」という言葉の意味にいつもとまどう。

そんな中学生は横棒グラフを描いてイメージするといいでしょう。

(ちなみに答えはポテチ130円、キャンディ80円)

 

練習問題

以上のコツもすでに、中1「1次方程式文章題」で詳しく解説しています。

あわせてご参考ください。

棒グラフについては記事の中ほどに載っています。

中学数学「1次方程式」文章題の解き方⑤【過不足の問題】

 

それでは、最後の練習問題です。

連立方程式文章題における過不足問題、ぜひチャレンジしてみてください。

解答は一行下をドラッグ反転、質問はコメント欄からどうぞ。

問6)1500円を持ってマクドナルドに行った。てりやきバーガーとチキンフィレオを2個ずつ買うと100円余るが、てりやきバーガーを3個、チキンフィレオを2個にすると240円足りない。てりやきバーガーとチキンフィレオの単価をそれぞれ求めよ。
答.てりやきバーガー340円、チキンフィレオ360円

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まとめ

連立方程式の文章題、問題パターン別のコツ。

○分配の問題は

  • \(x+y=\mbox{(分ける前の合計)}\)」でひとつ式が立つ
  • 難しければ、分配後の数を \(x , y\) で表してから式をつくる

○整数、自然数の問題は

  • (わられる数)=(わる数)×(商)+(余り)
  • 「○△」という2桁の自然数の表し方は「10×○ +△」

○平均の問題は

  • 平均の公式を2種類とも使いこなす
  • クラスの平均点問題は表を書いて整理する

○過不足の問題は

  • 横棒グラフを描いてイメージする

 

次回は「速さ・時間・道のり」問題のコツをお伝えします。

連立方程式文章題において、もっとも多くの中学生が難しく感じるところ。

また模試でも入試でも必ずといっていいほど頻出するところ。

その道のり問題を「わかる・できる」ようにするためのコツです。

お見逃しなく。

中学数学「連立方程式」文章題の解き方③【速さ・時間・道のり問題】







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管理人の重悟(ジュウゴ)です。
30代、ライター兼ブロガー兼講師。

西洋史専攻の知識と民間教育経験を基に、
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