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中学数学 数学

中学数学「平方根」のコツ④ 有理化/加減乗除/展開

投稿日:

中学数学のつまずき解消をめざすこの連載。

中3「平方根」の4回目は、ルートの計算ぜんぶを一気に解説します。

つまり

  • 分母の有理化
  • ルートをふくむ式の乗除
  • ルートをふくむ式の加減
  • ルートをふくむ式の展開

という4つ。

それぞれの計算のやり方とともに、注意点を伝えていきます。

そして、ルートの計算ぜんぶに共通するコツ。それはルートを簡単にしてから計算したほうがラクってこと。

以下、具体的に見ていきましょう。

分母の有理化

分母の有理化とは、分母からルート(√)をなくすことです。

やり方は、上下に同じ数をかけるだけ。

有理化のやり方

例題1)次の数の分母を有理化せよ。

$$ \mbox{(1)} \ \frac{2}{\sqrt{3}} \qquad \mbox{(2)} \ \frac{\sqrt{6}}{4 \sqrt{5}} $$

じっさいにやってみせましょう。

こんなかんじ↓

問題(1)なら分母と分子に \(\sqrt{3}\) を、
問題(2)なら分母と分子に \(\sqrt{5}\) をかけるんです。

すると
\( \sqrt{3} \times \sqrt{3} = 3\)
\( \sqrt{5} \times \sqrt{5} = 5\)
となって、ルートが分母からなくなります。

なお問題(2)は \(4 \sqrt{5}\) をかける必要はありません。

\(\sqrt{5}\) のルートだけなくしたいからね。

 

ちなみに、分母と分子に同じ数をかけても等しいままなのはなぜか?

それは、約分の逆をしているだけだからです。

つまり \( \frac{5}{15} = \frac{1}{3} \) の逆をして

$$ \frac{1}{3} = \frac{1 \times 5}{3 \times 5} = \frac{5}{15} $$

が成り立つから、分母と分子に同じ数をかけてもOKなんです。

[関連記事]
中1数学「文字と式」② 途中式と分数でつまずく

 

注意点

例題2)次の数の分母を有理化せよ。

$$ \mbox{(1)} \ \frac{6}{\sqrt{10}} \qquad \mbox{(2)} \ \frac{9}{\sqrt{48}} $$

分母の有理化をするときの注意点は2つ。

  • 有理化したあとの約分を忘れない
  • ルートを簡単にしてから有理化したほうがラク

たとえば例題2-(1)では、

\begin{eqnarray} & & \frac{6 \times \sqrt{10}}{\sqrt{10} \times \sqrt{10}} \\ &=& \frac{6 \sqrt{10}}{10} \\ &=& \frac{3 \sqrt{10}}{5} \end{eqnarray}

と、最後の \(6\) と \(10\) を約分しないと不正解になります。

中学生がよく忘れがちな計算です、注意しましょう。

また、例題2-(2)では \(\sqrt{48}\) を簡単にしてから有理化したほうがラクチンです。

以下のふたつの式を見比べれば、一目瞭然でしょう。

ルートを簡単にしてから有理化したほうが、数字が小さくなって計算しやすくなります。

なお、こういう有理化がすらすらできるためにも、前回の記事で述べたように、\(\sqrt{50}\) までの簡単にできる平方根は覚えてしまったほうがいいですね。

\(\sqrt{48}\) が問題に出てくるたびに \(48\) を素因数分解するより、\(\sqrt{48}=4 \sqrt{3}\) と覚えてしまったほうが、よっぽど速くテストが解けると思います。

[平方根の記事 一覧]

  1. 中3数学「平方根」のコツ① 平方根とは/平方根の大小
  2. 中3数学「平方根」のコツ② 有理数と無理数/循環小数と分数
  3. 中3数学「平方根」のコツ③ 素因数分解/ルートを簡単にする計算
  4. 中3数学「平方根」のコツ④ 有理化/加減乗除/展開
  5. 中3数学「平方根」のコツ⑤ 平方根の利用・応用問題

 

ルートの計算(乗除)

次に、ルートのかけ算・わり算を解説します。

やり方は前回もちょっと言いましたが、ルートの中どうし・外どうしを計算するだけです。

ルートの乗法・除法のやり方

例題3)次の計算をせよ。

$$ \mbox{(1)} \ 4 \sqrt{12} \times \sqrt{8} \qquad \mbox{(2)} \ 6 \sqrt{35} \div (- \sqrt{45}) $$

ルートのかけ算・わり算をするときにも、ルートを簡単にしてから計算すると数字が小さくなってラクです。

例題3-(1)なら、こんなかんじ↓

\begin{eqnarray} & & 4 \sqrt{12} \times \sqrt{8} \\ &=& 8 \sqrt{3} \times 2 \sqrt{2} \\ &=& 16 \sqrt{6} \end{eqnarray}

例題3-(2)なら、こんなかんじ↓

\begin{eqnarray} & & 6 \sqrt{35} \div (- \sqrt{45}) \\ &=& 6 \sqrt{35} \div (-3 \sqrt{5}) \\ &=& -2 \sqrt{7} \end{eqnarray}

ルートの計算問題が出てきたら、なにはともあれまずルートを簡単にしてから、と覚えておいてもいいでしょう。

なお例題3-(1)の \(4 \sqrt{12}\) は

$$ 4 \sqrt{12} = 4 \times 2 \sqrt{3} = 8 \sqrt{3} $$

という計算をしています。

これくらいは暗算でできるようになるのがベスト。

たくさん練習しましょう。

 

注意点

例題4)次の計算をせよ。

$$ \mbox{(1)} \ 2 \sqrt{15} \times \sqrt{21} \qquad \mbox{(2)} \ \sqrt{45} \div 6 \sqrt{30} \times \sqrt{32} $$

ルートのかけ算・わり算における注意点はあと2つ。

  • ルートの中身を素因数分解してもラク
  • わり算は分数にする

たとえば例題4-(1)では、

そのままルートの中どうしをかけ算すると、数字が大きくなってしまいます。

でも \(15\) と \(21\) をあらかじめ素因数分解してやれば、「\(3\) がふたつある」ということがすぐわかる。

「問題式のルートはそれ以上簡単にできないけれど、そのままルートの中どうしをかけ算したら数字がバカでかくなりそう」ってときは、あらかじめルートの中身を素因数分解してやると計算が速くなるでしょう。

 

また、例題4-(2)では、以下のように計算するといいでしょう。

\begin{eqnarray} & & \sqrt{45} \div 6 \sqrt{30} \times \sqrt{32} \\ &=& 3 \sqrt{5} \div 6 \sqrt{30} \times 4 \sqrt{2} \\ &=& \frac{3 \sqrt{5} \times 4 \sqrt{2}}{6 \sqrt{30}} \\ &=& \frac{2}{\sqrt{3}} \\ &=& \frac{2 \sqrt{3}}{3} \end{eqnarray}

つまり、÷のうしろだけ分母にもってきて分数にしてから、ルートの中どうし・外どうしをそれぞれ約分するんです。

「÷のうしろだけ分母にもってくる」というのは中1・中2でも習ってきた知識ですが、いまいちど確認しましょう。

なお、最後の有理化も忘れずに。また \(\sqrt{30}\) の中身は素因数分解してもOKです。

[関連記事]
中1数学「正負の数」でつまずく原因と解決法② 乗除、累乗

 

ルートの計算(加減)

つづいてルートの足し算・引き算。

やり方は、同類項をまとめる場合とおなじです。

ルートの加法・減法のやり方

例題5)次の計算をせよ。

$$ \mbox{(1)} \ 3 \sqrt{5} + 4 \sqrt{5} \qquad \mbox{(2)} \ 2 \sqrt{3} – 3 \sqrt{7} – 4 \sqrt{3} + 5 \sqrt{7} $$

たとえば例題5-(1)の場合、\(\sqrt{5}\) が共通です。

なので、\(3x+4x=7x\) という計算と同じようにして、

\begin{eqnarray} & & 3 \sqrt{5} + 4 \sqrt{5} \\ &=& 7 \sqrt{5} \end{eqnarray}

とできます。

また例題5-(2)の場合、\(\sqrt{3}\) と \(\sqrt{7}\) を含む項がそれぞれ2つずつあります。

なので、\(2a-3b-4a+5b=-2a+2b\) という計算と同じようにして、

\begin{eqnarray} & & 2 \sqrt{3} – 3 \sqrt{7} – 4 \sqrt{3} + 5 \sqrt{7} \\ &=& -2 \sqrt{3} + 2 \sqrt{7} \end{eqnarray}

とできます。

つまり、文字式の同類項をまとめるのと同じようにするだけ。

ちなみに、なぜこう計算していいのか?

それはどちらも、分配法則の逆をしているからですね↓

\(-2 \sqrt{3} +2 \sqrt{7}\) がこれ以上計算できないのもおなじ理由です。

 

注意点

例題6)次の計算をせよ。

$$ \mbox{(1)} \ \sqrt{27} – \sqrt{48} \qquad \mbox{(2)} \ \sqrt{18} – \frac{4}{\sqrt{2}} $$ 

ルートの足し算・引き算における注意点も2つです。

  • ルートを簡単にしてから計算
  • 有理化してから計算

たとえば例題6-(1)の場合、一見するとまとめることができそうにありません。

しかし、ルートを簡単にしてやれば \(\sqrt{3}\) という共通部分が出てきて、以下のようにまとめられます。

\begin{eqnarray} & & \sqrt{27} – \sqrt{48} \\ &=& 3 \sqrt{3} -4 \sqrt{3} \\ &=& – \sqrt{3} \end{eqnarray}

また例題6-(2)の場合も、パッと見たところ、まとめられる感じではない。

しかし、\(\sqrt{18}\) を簡単にして、そして \(\frac{4}{\sqrt{2}}\) を有理化してやれば、以下のようにまとめられます。

\begin{eqnarray} & & \sqrt{18} – \frac{4 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\ &=& 3 \sqrt{2} – \frac{4 \sqrt{2}}{2} \\ &=& 3 \sqrt{2} -2 \sqrt{2} \\ &=& \sqrt{2} \end{eqnarray}

ルートの足し算・引き算では「ルートを簡単にしてから・有理化してから」計算すればいいと覚えておきましょう。

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ルートの計算(展開)

平方根の計算、さいごは展開です。

やり方は、展開公式に当てはめるだけです。

ルートの展開のやり方

例題7)次の計算をせよ。

(1) \( ( \sqrt{2} +3)( \sqrt{2} +4) \)

(2) \( ( \sqrt{5} -6)^2 \)

(3) \( ( \sqrt{7} +\sqrt{6} )( \sqrt{7} -\sqrt{6} ) \)

例題7-(1)はかっこの前だけそろっているので、乗法公式1

\begin{eqnarray} & & (x+a)(x+b) \\ &=& x^2 +(a+b)x +ab \end{eqnarray}

に当てはめます。

前を二乗して:\(2\)
うしろを足して、×前:\(+7 \sqrt{2} \)
うしろをかけて:\(+12\)

\begin{eqnarray} & & ( \sqrt{2} +3)( \sqrt{2} +4) \\ &=& 2+7 \sqrt{2} +12 \\ &=& 14+7 \sqrt{2} \end{eqnarray}

詳しくは→乗法公式1

 

また例題7-(2)はかっこの二乗の形なので、乗法公式2

\begin{eqnarray} & & (a+b)^2 \\ &=& a^2 +2ab +b^2 \end{eqnarray}

に当てはめます。

前を二乗して:\(5\)
前・うしろかけて、2倍:\(-12 \sqrt{5}\)
うしろを二乗して:\(+36\)

\begin{eqnarray} & & ( \sqrt{5} -6)^2 \\ &=& 5 -12 \sqrt{5} +36 \\ &=& 41-12 \sqrt{5} \end{eqnarray}

詳しくは→乗法公式2

 

そして例題7-(3)はうしろの符号だけちがう形なので、乗法公式3

\begin{eqnarray} & & (a+b)(a-b) \\ &=& a^2 -b^2 \end{eqnarray}

に当てはめます。

同符号どうしをかけて:\(7\)
異符号どうしをかけて:\(-6\)

\begin{eqnarray} & & ( \sqrt{7} +\sqrt{6} )( \sqrt{7} -\sqrt{6} ) \\ &=& 7-6 \\ &=& 1 \end{eqnarray}

詳しくは→乗法公式3

 

注意点

このように、ルートの展開の計算では乗法公式をスラスラ使えることが前提になります。

教科書や参考書などには説明のために

\begin{eqnarray} & & ( \sqrt{2} +3)( \sqrt{2} +4) \\ &=& (\sqrt{2})^2 +(3+4) \times \sqrt{2} +3 \times 4 \\ &=& \cdots \end{eqnarray}

などとていねいな計算式が書いてありますが、これをマネしてはいけません。

マネしてこんなん書いてたら、テスト時間内に解き終わらないから。

「前を二乗」
「うしろを足して、×前」
「うしろをかけて」
などの計算は暗算でやるようにしましょう。

 

例題8)次の計算をせよ。

(1) \( (2 \sqrt{2} -5)(\sqrt{8} +3) \)

(2) \( (\sqrt{3} + \sqrt{6})^2 \)

(3) \( (\sqrt{20} -2 \sqrt{3})(2 \sqrt{5} + \sqrt{12}) \)

ルートの展開における注意点はあと2つ。

  • 最後まで計算する
  • ルートを簡単にする

という2点を忘れないコト。

これらに注意して例題8を計算すると、以下のとおりです。

例題8がこれくらいの式の短さでスラスラ計算できるようになれば、ルートの計算はOKと思っていいでしょう。

逆に
「\(-5+3\) で \(-2\) 、これに \(2 \sqrt{2}\) をかけて、ええと…」
「\(2 \sqrt{18}=\) …、あれ、\(\sqrt{18}\) って何ルート何だっけ…」
「\((2 \sqrt{5})^2\) は、\(2 \sqrt{5} \times 2 \sqrt{5}\) だから、あれ?」
などと考えこんで、たびたび手が止まる。

こんな場合はまだ練習が不十分です。

前回までの記事を確認して、そのあと教科書や問題集でたくさん練習してください。

[平方根の記事 一覧]

  1. 中3数学「平方根」のコツ① 平方根とは/平方根の大小
  2. 中3数学「平方根」のコツ② 有理数と無理数/循環小数と分数
  3. 中3数学「平方根」のコツ③ 素因数分解/ルートを簡単にする計算
  4. 中3数学「平方根」のコツ④ 有理化/加減乗除/展開
  5. 中3数学「平方根」のコツ⑤ 平方根の利用・応用問題

 

まとめ

○分母の有理化は、上下に同じ数をかける。

注意点は、有理化したあとの約分を忘れないこと。

 

○ルートの乗除は、ルートの中どうし・外どうしを計算する。

注意点は、数がでかくなりそうならルートの中身を素因数分解してもいい。

また、わり算は分数になおすこと。

 

○ルートの加減は、同類項をまとめるように。

注意点は、有理化してからまとめたりすること。

 

○ルートの展開は、乗法公式に当てはめる。

注意点は、乗法公式をスラスラ使えるようになっておくこと。

また、最後まで計算できるところは計算すること。

 

そしてルートの計算ではすべて、ルートを簡単にしてから計算すること。

 

以上、ルートの基本計算でした。

次回は中3平方根単元の最後として、平方根の利用・応用問題を解説します。

定期テストや模試・入試でよく出る難問をどうやって解けばいいか、パターンにわけてコツをお伝えします。

→中3数学「平方根」のコツ⑤ 平方根の利用・応用問題







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管理人の重悟(ジュウゴ)です。
30代、ライター兼ブロガー兼講師。

西洋史専攻の知識と民間教育経験を基に、
歴史と教育について書いていきます。

科学と数学についてはヘタの横好き。
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