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日記

日本会議会長・田久保忠衛の記者会見の言葉をひろってみた。

投稿日:2017年5月25日 更新日:

こんにちは、ジュウゴです。

今回は日本会議会長・田久保忠衛(たくぼただえ)氏の記者会見をYouTubeで見たので、そこから心にひっかかった言葉をひろってみます。

また田久保氏が提案する「これからの日本」について、考えていきます。

記者会見の動画自体は記事のなかほどにあります。


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ジュウゴの政治姿勢

わたしは防衛庁が防衛省に格上げされた2007年あたりから、政治に関心をもっています。とくに対外関係については注意深く見守っています。

というのもジュウゴは幼少期に水木しげるの『総員玉砕せよ!』というマンガを読んで以来、徴兵されて戦地に行くのが怖くてしかたないのです

敵に殺され、敵を殺すという恐怖もあるんですが、それとともに上官にビンタされまくるのが、ジュウゴにはイヤでしかたありません。
中学・高校と野球部だったんですが、直立不動の姿勢をとらされて叩かれるあの緊張と屈辱は、もう二度と味わいたくないんです。
ましてや戦地でしょ、上官、ぜったい手加減しないし。

だから山下清が徴兵が怖くて放浪の旅に出たというのにも、共感してしまいます。
(→「山下清展」に行ったら絵画より名言に心癒された

以上、水木しげる『総員玉砕せよ!』より、ビンタシーンの一部

 

こんなの受けつづけて「ありがとうございます!」なんて、とても言えねえ!

 

またジュウゴの祖父は大正生まれの戦前派でして、わたしの中学入学時、1本の木刀を渡されました。
祖父曰く、「チョンが攻めてきたらこれで家族を守れ」とのこと。
当時のわたしはチョンが何者かわからぬまま、ただ漠然と、海の向こうから鬼のような化け物が攻めてくる恐怖だけをおぼえました。

祖父は徴兵検査で腰が悪くて「丙種」とされ、戦地に行っていません。実家は爆撃にもあっていません。

そのためか、祖父は戦前・戦中の日本にたいしてある種の憧憬があるようです。どうも戦争の惨禍を知らない人ほど、ノスタルジーとあいまって当時の日本を美化する傾向がありますね。逆に、中国内陸部に出兵した祖母の父などは、帰ってから一言も戦争について語りませんでした。

 

そんなわけで、ジュウゴは戦争が怖いのです。

大学で歴史を学び、人類の歴史に戦争は不可欠だと知ったいまでも、どうか自分と周りの人たちに戦争がふりかかってきませんようにと願ってしまいます。

そこで最近は、安倍政権の政策や、北朝鮮の動向や、アメリカの外交や、日本会議という市民団体などに、注意深く目をむけているわけです。

 

日本会議会長の言葉

2016年7月13日に、日本会議会長の田久保忠衛という人が外国特派員協会で1時間あまりの記者会見をしていました。

まずはその動画がこちら。

 

そして田久保氏の発言のなかで、心にひっかかった言葉はこちら。

意見陳述(0:00~20:50)から

「(日本は)軍事がまったく普通の国のそれではないのです」

「軍隊の規定を(憲法に)載せろという、一般の国々と同じことをやろうとすると、軍国主義者だという非難をあびる」

「日本は非常な左からまんなかに軌道修正しようとしている」

「(湾岸戦争時)日本は130億ドル(140億ドル?)出しただけでなんにも動かなかった。日本はどこからも感謝されませんでした」

「普通の国実現に着手し、これを次々と手をうってきたのが、たった一人、安倍晋三です」

「わたしはここで、安倍の立脚点をみなさんに理解していただきたいと思います。(中略)エクストリームレフトからまんなかにもってこようとした唯一の政治家であります」

「国際情勢を論じていた政治家がいますか、ひとりでも」

「(中国の膨張主義は)ハーグの判決でおわかりのように、明らかなエクスパンショニズムではないか。これに対抗するに、日本は防衛に欠陥があるんです」

「日米同盟を強化しなければ、日本はサバイブできないんです」

「(アメリカには)おおきな変化が起こりつつある」

「(クリントンもトランプも)アメリカは対外コミットメントはかなり制限すると言っている」

「1つ、中国の膨張主義。2つ、アメリカの内向きの傾向。この2つのあいだに立って、日本はどうしなければいけないか」

「戦前の軍のシステムと、いまの自衛隊のシステムはまったくちがうんです。その自衛隊のシステムを普通の国のような軍隊にして、憲法にもりこむ」

質疑応答(20:50~1:04:53)から

「(憲法改正について)これから日本全体がどういうふうに動いていくのか、これはわたくしの研究テーマのひとつだと思います」

「(皇室について)日本の天皇は、祭司王であります。平安時代から2つに分かれ始めた。摂政・関白、つぎに平氏、…。権威は天皇、権利は武士。あと10年後にどうするかというと、いまの皇室がずっと存続していくだろうと思います」

「10年後には憲法が改正されるだろう。そして北東アジアの一角に普通の国が実現すると思う。(中略)わたくしは「道義国家」が目的だと思います

「(第二次世界大戦について)どっちかが絶対的に正しくてどっちかが間違いということはない。どっちもどっちだと思います」

「(天皇の平和主義と謝罪について、賛成か反対か)天皇陛下のご発言はすべて正しいと思う」

「(憲法改正案の基本的人権について)普通の国とどうちがうのでしょうか」

「(道義国家をどう実現するのかについて)憲法の目標はどういうものがいいか。いままではアホらしい経済だった。これからは独立自尊の道義国家。人権、民主、法治、こういう普遍的な価値観を尊重してこれを求める。教育でどうこうということではなくて、憲法上のおおきな目標をかがけたということであります」

「(子どもの体罰と女性の権利について)日本会議がどういう会議をやっているか、そこまで把握していないんです。(議員でメンバーの)加瀬君が体罰を強めるという見解を述べているようですが、日本会議を代表する意見ではありません。(ラフカディオ・ハーンの見解を例にあげて)わたくしの個人的見解ですけども、体罰は当然じゃないか」

(以上、太字はジュウゴによる)

 

田久保氏の提言は真剣に考えるべきテーマ

大国のあいだで日本はどうするべきか?

ほかの言葉はここでは置いといて、とにかく田久保氏が意見陳述の部分で述べた提言は、日本のこれからを考えるうえでとても重要です。

つまり「1つ、中国の膨張主義。2つ、アメリカの内向きの傾向。この2つのあいだに立って、日本はどうしなければいけないか」。

この「中国とアメリカという2大国のあいだで日本はどうするべきか」という命題は、明治以降の日本にとってつねに最重要の外交テーマなんです(もうひとつ、ロシアという大国もからみますが)。

 

そしてこれに対する回答が、田久保氏の場合(つまり日本会議の場合)、アメリカとの同盟強化と、日本そのものの強化によって、中国の脅威をしりぞけるというものなんですね。

そのために国内では、憲法を改正して自衛隊を強化し、また国民をおなじひとつの方向に向かせるようにすると。その方向というのを田久保氏は「道義国家」と表現しているわけです。

 

日本会議の、また安倍政権の回答がどうであれ、問題提起そのものはもっと真剣に考えられるべきテーマだと思います。

だから3月19日に「サンデー・ジャポン」の番組のなかで、爆笑問題の太田光が似たような発言をしていて、ジュウゴは「そのとおり!」と叫びました。

爆笑問題の太田光、保守団体「日本会議」に言及 スタジオ静まる(livedoor news)

 

安倍政権の政策も田久保氏の回答とおなじ方向

アメリカとの同盟強化と、日本そのものの強化という2点から考えれば、安倍政権のいろんな政策の意図もわかってきます。

沖縄の基地継続、安保法の改正、そのなかでの集団的自衛権、英語教育の充実などはすべて、アメリカとの同盟強化につながります。

また憲法の改正、自衛隊に関する法律の改正、防衛費の増額などは日本の軍事力強化につながります。

そしてマスメディアへの圧力と操作、愛国心教育などは、国民をひとつの方向に向かせることに有利にはたらいています。

昨日(2017/5/23)衆議院を通過した「共謀罪(テロ等準備罪)」は法案を読んでもいまいちよくわかりませんが、あるいはアメリカのように国家が市民を監視する体制をつくるためのものかもしれません。これもまた、国民をひとつの方向に向かせて、共同体意識を高め、国を強くすることにつながります。

手法はどうあれ、安倍政権もまた、アメリカとの同盟を強化して、日本そのものも強化して、中国という脅威に対抗しようとしています。

これが現在の政権の回答なんですね。

 

ほかの選択肢はないのか

日本会議が提示して、安倍政権が実行しつつある「これからの日本」にたいして、じゃあほかの選択肢はないのかと考えたくなるのも当然です。

いくつか提示してみます、と思ったんですが、思いのほか記事が長くなったので次回に。

次の記事→「これからの日本」について、日本会議や安倍政権とは別の選択肢







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管理人の重悟(ジュウゴ)です。
30代、ライター兼ブロガー。

西洋史専攻の知識と民間教育経験を基に、
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