英語改革で受験はこう変わる① 入試制度が変更される理由とは

英語

前回の記事では、2020年度からはじまる新学習指導要領によって、学校の英語教育がどう変わるのかをみてきました。

こうした改革にあわせて、大学入試もおおきな変更が予定されています。

すでに多くの大学や公立高校入試などでも、英語入試のシステムがおおきく変わってきています。今後はさらにいろんな学校や自治体で、英語入試が変わっていくでしょう。

そもそも英語の受験はどんなふうに変わってきているの?

なぜ変わるの?

2020年度からはじまる新しい大学入試制度ってどんなもの?

こうした受験制度の変更点について、3回に分けてわかりやすくまとめました。

1回目はすでに変わりはじめている大学入試・高校入試のその内容について、理由とともにみていきましょう。

*2019年7月時点での最新情報を追記しました。

(2回目以降の記事はこちらから↓)
2回目:英語改革で受験はこう変わる② 4技能の外部テスト一覧

3回目:英語改革で受験はこう変わる③ 大学入学共通テストとは何か?


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なんで英語入試の制度が変わってきているの?

英語の受験制度がどんなふうに変わるのかを見るまえに、なぜ受験制度が変わってきているのか、その理由から知っておいたほうがいいでしょう。

理由を知っておけば、どんなふうに変わるのかもだいたい想像できますからね。

なんで英語の受験制度が変わってきているかというと、産業界の要請によるものです。

つまり日本の社長さんたちが「もっと英語のできる人材を育ててよこせ」と、大学に求めているからなんです。

「グローバル化」というわかったようでよくわからない言葉を使いたくはないんですが、ようするにいま日本の企業は以前にくらべて、海外との取引が増えています。

日本企業の輸出総額をみれば一目瞭然です。財務省の統計ですが↓

1995年:415億円 →2015年:756億円

20年間で241億円も増えてるんですね。2倍ちかい増加!

こうなると当然、企業は外国語のできる人材が必要になります。

とくに国際共通語である英語のできるヤツはぜひほしい!となります。

それでいま、英語のできる人材を育ててほしいと、日本企業は大学に求めているわけです。
(英語を使う職業についてはこちらにまとめています)

でも大学って本来、英語力をメインに育てるところではありません。

英文科などのほか英語はあくまで一般教養であって、ほかに研究することがあるからこそ大学なわけですし。

そこで大学は「じゃあ英語の入試をきびしくして、もともと英語力のある学生を入れたらいいやん」と考えました。

これが英語入試の変更の理由なんです。

*つまり大学入試の改革は、大学側の求めたことじゃなくて、民間企業からの圧力によって国が主導したものであるということです。

実際、大学入試センター理事長が「4技能を均等に求めるのかどうか、もっと議論が必要」と、入試改革自体に疑問を投げかける発言をしています(2019/05/02 東洋経済オンライン「『センター試験の大改革』に秘められた深い意味 大学入試センターの山本廣基理事長に聞く」より)

また2019/06/18には、複数の大学教授が「民間英語試験の利用を中止すべき」という請願書を文部科学省に提出しています。

当たり前ですが、商売の現場で求められる英語力と、研究や教育の現場で求められる英語力はちがいます。

今後もこの矛盾をめぐって「国&民間 vs.大学」の対立が続き、大学入試の内容は実施直前まで議論され、混乱するでしょう。

いちばん迷惑してるのは高校生だっつーの……。

 

大学入試で外部テストの導入がさかんに

というわけで、いま英語入試は以前よりもきびしくなる方向で変わってきています。

より正確にいうと、受験のノウハウとかに関係なくたしかな英語力をもっていること

そして「読む」「書く」だけでなく「聞く」「話す」までふくめた4分野の技能をバランスよくもっていること

この2点が以前よりも求められるようになってきています。

 

そしてこの2点をどちらも確かめられるのが、英検やTOEFLといった外部テストなんです。

「英検2級」というのはたしかな英語力ですし、英検2級の受験には「聞く」「話す」の技能も必要ですから。

そこでいま、こうした外部テストを入試の代わりとする大学が増えています。


  • たとえば明治大学、東洋大学、立命館大学などの一部学部では、一般入試において、外部テストの成績が一定以上だと英語の試験が免除されたり、満点とみなされたりします。
  • また立教大学、青山学院大学、獨協大学、関西学院大学などの一部学部では、外部テストの成績が一定以上でないと出願もできません。その代わり、出願できたら試験は面接だけ、というところもあります。
  • とくに東京海洋大学の海洋科学部は2016年度入試から、一般入試・推薦入試にかかわらずすべての試験で「英検準2級以上、TOEFL iBT40点以上」などの出願条件を課しました。
  • 国公立でもたとえば、東京大学、京都大学、神戸大学などの一部学部は、推薦入試やAO入試などにおいて、出願条件に外部テストの点数を課しています。

くわしい条件や方法は各大学・学部によってちがいます。

また年度によって変更もあるので、受験される方はかならずホームページなどで最新の情報をチェックしてください。

2019年現在で、すでに外部試験の導入は上に挙げた例よりもっともっと増えています。

いま高校生は、志望校・志望学部をどこにするかで、そのたびに「外部試験は何を何級まで受けなきゃ」と考えては急いで勉強し、受験しています。大学や学部ごとに認められる試験や級が異なるからです。特に高3はドタバタ……。

また、2021年度の入試において、外部の英語資格試験を活用する予定の国立大学の数が発表されました。(文部科学省HP「(大学入試改革)2021年度入学者選抜(一般選抜)における国立大学の英語資格・検定試験の活用予定の公表状況について」)

それによれば、国立大学82校のうち、活用予定は79校。

つまりほとんどの国立大学がTEAPなどの外部試験を入試に組み込む予定とのこと。

大学、国には逆らえず!という結果ですね。

 

高校入試でも外部テストの導入が増えている

こうした外部テストの利用は高校入試でも広まってきています。

たとえば大阪府は2016年度実施の公立高校入試において、英検・TOEFL iBT・IELTSという3つの外部テストのうち、どれかの成績が一定以上であれば、英語試験の点数に換算すると発表しました。

大阪府のホームページによれば、換算率は以下のとおりです。

たとえば英検準1級をもっていたら、たとえ当日の試験を白紙で出しても、英語の試験は100点満点ってことになります。

こうした導入は今年度以降も続いていくようです。

*大阪府では2017年度、2018年度の公立高校入試も、同様の換算がおこなわれました。

 

都道府県単位での導入はまだ大阪だけですが、個別においてはすでにいろんな高校が外部テストを導入しています。

英検にかぎってみても、判定を優遇したり点数に加点したりする学校は全国で383校あります。英語の試験免除は26校、出願条件に英検をくわえているところは205校、その他の優遇措置をしているところも99校ありました(2017年4月現在)。

英検にかぎらず、英語の外部テストを導入する学校が今後ますます増えてくるでしょう。

もしかして、小・中学生のうちに英語の資格を取るのが当たり前の世の中になるのかもしれません。
(英語の塾選びのポイントはこちらの記事にまとめています)



まとめ

以上、英語の受験がどのように変わってきているかをみてきました。
まとめるとこの3点です。

  • 産業界の要請によって、英語の入試がきびしくなってきている
  • とくに外部テストの導入が全国で進んでいる
  • 大学入試だけでなく、高校入試でも外部テストの導入が増えている

これからの子どもたちはたいへんですねー(←ヒトゴト)

 

では、このように入試で活用されている外部テストって、いったいどれだけあって、それぞれどんな特徴があるんでしょうか?

また最近よく聞くようになった「4技能」と外部テストとはどう関係してるんでしょうか?

次回はこうした疑問に答えていきます。

英語改革で受験はこう変わる② 4技能の外部テスト一覧

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