こんにちはジュウゴです。
先日、大学入試を控えた高校3年生から「三角形の面積の求め方っていくつあるんですか?」と質問を受けました。
その場ではさっと教えましたが、あとになって、そういえば証明もふくめて整理すべき大切な知識だなと反省しました。
そこで反省がてら、三角形の面積を求める公式7つ、ぜんぶまとめます。
- どんな場面でよく使うのか
- 問題を解くときのポイント
- 公式の導出(証明)
という3点を、例題とともに、7つそれぞれで解説します。
高校数学の頭の整理にお役立てください。
- 1 \(S= \frac{1}{2}ah\)
- 2 \(S= \frac{1}{2}bc \sin A\)
- 3 \(S= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \)
- 4 \(S= \frac{1}{2}r(a+b+c) \)
- 5 \(S= \frac{abc}{4R}\)
- 6 \(S= \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{ a } \vert ^2 \vert \vec{ b } \vert ^2 – (\vec{ a } \cdot \vec{ b })^2 } \)
- 7 \(S= \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert \)
- まとめ
1 \(S= \frac{1}{2}ah\)
まずは基本の
$$ \frac{1}{2} \times \mbox{(底辺)} \times \mbox{(高さ)} $$
から。
高校数学ではとくに座標平面の問題でよく使います。
使い方
【ポイント】
BCを底辺とした場合
- 底辺=2点BC間の距離
- 高さ=点と直線の距離
※点 \( (x_1 , y_1 ) \) と直線 \(ax+by+c=0\) の距離は
$$ \frac{\vert ax_1 + by_1 +c \vert}{\sqrt{a^2 +b^2}}$$
【解答例】
B(3,5)、C(5,2)より
\begin{eqnarray} BC &=& \sqrt{(5-3)^2 + (2-5)^2 } \\ &=& \sqrt{13} \end{eqnarray}
点A(1,1)から直線 \(3x+2y-19=0\) に垂ろした垂線の長さを \(h\) とすると、点と直線の距離より
\begin{eqnarray} h &=& \frac{\vert 3 \cdot 1 + 2 \cdot 1 -19 \vert}{\sqrt{3^2 +2^2}} \\ &=& \frac{14}{\sqrt{13}} \end{eqnarray}
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \cdot \sqrt{13} \cdot \frac{14}{\sqrt{13}} \\ &=& 7 \end{eqnarray}
答.\(7\)
公式の証明
こんな感じで、\( \frac{1}{2} ah\) の公式は座標平面でよく登場します。
ここでは数Ⅱ「図形と方程式」単元で習う「点と直線の距離」との合わせワザでしたが、ほかにも「積分」単元で使ったりもします。
では、公式の証明を。
こいつはカンタンですね。
【証明】
図のような平行四辺形ABCDでBC= \(a\) 、高さ \(h\) とすると
(平行四辺形ABCD) = \( ah \)
△ABC = \( \frac{1}{2} \times \)(平行四辺形ABCD)
よって △ABC = \(\frac{1}{2} ah \)
(証明おわり)
2 \(S= \frac{1}{2}bc \sin A\)
つぎに、数Ⅰ三角比から
$$ \frac{1}{2} \times \mbox{(はさむ辺)} \times \mbox{(はさむ辺)} \times \mbox{(はさまれた角のサイン)}$$
です。
記号で書くと3通りになりますが、ジュウゴは↑のようなイメージで教えています。
使う場面は
- 二辺とその間の角度がわかっている
- 三辺の長さがわかっている
ときなどです。
使い方
【ポイント】
- 余弦定理で \(\cos \) を求め
- 相互関係で \(\sin \) を求め
- \(S= \frac{1}{2} bc \sin A\) で面積を出す
※余弦定理 ver.2
$$ \cos A = \frac{b^2 +c^2 -a^2}{2bc} $$
※三角比の相互関係
$$ \sin ^2 \theta + \cos ^2 \theta = 1 $$
*ほかの求め方については3番目で解説
【解答例】
余弦定理より
\begin{eqnarray} \cos A &=& \frac{6^2 + 7^2 – 5^2}{2 \cdot 6\cdot 7} \\ &=& \frac{60}{2 \cdot 6\cdot 7} \\ &=& \frac{5}{7} \end{eqnarray}
0°<A<180°から \( \sin A \) >0、
三角比の相互関係より
\begin{eqnarray} \sin A &=& \sqrt{1- \left( \frac{5}{7} \right) ^2} \\ &=& \sqrt{ \frac{24}{7^2} } \\ &=& \frac{2 \sqrt{6}}{7} \end{eqnarray}
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \cdot 6 \cdot 7 \cdot \frac{2 \sqrt{6}}{7} \\ &=& 6 \sqrt{6} \end{eqnarray}
答.\(6 \sqrt{6} \)
公式の証明
このように、三辺がわかっている三角形の面積を求める場合などで、\(S= \frac{1}{2} bc \sin A\) は活躍します。
もちろん、30°や45°などの角度が与えられている問題は言わずもがな。
応用範囲はかなり広い公式です。
では、証明をどうぞ。
【証明】
図のような△ABCにおいて
底辺を \(a\) とした場合、
高さはどちらも三角比の定義より
$$ b \sin C $$
となる。
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \cdot a \cdot b \sin C \\ &=& \frac{1}{2} ab \sin C \end{eqnarray}
\(\frac{1}{2} bc \sin A \) , \(\frac{1}{2} ca \sin B \) についても同様。
(証明おわり)
3 \(S= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \)
3番目はいわゆる「ヘロンの公式」です。
三辺の長さがわかっている場合、ヘロンの公式のほうをよく使うという高校生も多いかも。
ただ、
$$ 2s= a+b+c $$
がかんたんな値になるときだけ使うってことに注意しましょう。
使い方
【ポイント】
- \(2s= a+b+c\) を求めてみて
- かんたんな値だったらヘロンの公式
【解答例】
\(2s=5+6+7\) とすると
\(s=9\)
よってヘロンの公式より
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \sqrt{9 \cdot (9-5) \cdot (9-6) \cdot (9-7)} \\ &=& \sqrt{9 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2} \\ &=& 6 \sqrt{6} \end{eqnarray}
答.\(6 \sqrt{6} \)
公式の証明
例題2は \(s=9\) とかんたんな値になったので、ヘロンさんでOKでした。
でも例えば
だったらどうでしょう?
\(s= \frac{11+ \sqrt{7}}{2}\) になって計算たいへんです。
だからヘロンの公式を使うかどうかは、\(s\) を求めてみてから判断する。
計算がどえらいことになりそうだったら他の公式でいく。
こういう整理をしておきましょう。
あと、ヘロンの公式には頭に \(\frac{1}{2}\) が付きません。あわせて注意しましょう。
では、ちょっと長いですが証明をどうぞ。
【証明】
△ABCにおいて、余弦定理より
$$ \cos A = \frac{b^2 +c^2 -a^2}{2bc} $$
\( \sin A\) >0より
\begin{eqnarray} \sin A &=& \sqrt{1- \left( \frac{b^2 + c^2 -a^2}{2bc} \right) ^2} \\ &=& \sqrt{ \frac{(2bc)^2 – (b^2 +c^2 -a^2)^2}{(2bc)^2}} \\ &=& \frac{1}{2bc} \sqrt{ \{2bc + (b^2 +c^2 -a^2) \} \{2bc – (b^2 +c^2 -a^2) \}} \\ &=& \frac{1}{2bc} \sqrt{ \{(b+c)^2 – a^2 \} \{a^2 – (b-c)^2 \}} \\ &=& \frac{1}{2bc} \sqrt{(b+c+a)(b+c-a)(a+b-c)(a-b+c)} \quad \mbox{…①} \end{eqnarray}
ここで \(a+b+c=2s\) とすると
\begin{eqnarray} b+c-a&=& 2s-2a = 2(s-a) \\ a+b-c&=& 2s-2c = 2(s-c) \\ a-b+c&=& 2s-2b = 2(s-b) \end{eqnarray}
よって①は
\begin{eqnarray} & & \frac{1}{2bc} \sqrt{2s \cdot 2(s-a) \cdot 2(s-c) \cdot 2(s-b)} \\ &=& \frac{2}{bc} \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \end{eqnarray}
したがって、\(S= \frac{1}{2}bc \sin A\) より
\begin{eqnarray} S &=& \frac{1}{2} bc \cdot \frac{2}{bc} \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\ &=& \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \end{eqnarray}
(証明おわり)
4 \(S= \frac{1}{2}r(a+b+c) \)
三角形の公式、4つめは
$$ \frac{1}{2} \times \mbox{(内接円の半径)} \times \mbox{(三辺の長さの和)} $$
です。
この公式は三角形の面積を求めるよりも内接円の半径を求める問題でよく使います。
使い方
【ポイント】
- 公式2(サインのやつ)または公式3(ヘロンのやつ)で三角形の面積を求める
- \(S= \frac{1}{2}r(a+b+c)\) に面積と三辺を当てはめて、\(r\) を出す
【解答例】
\(2s=17+10+9\) とすると
\(s=18\)
よってヘロンの公式より、△ABCの面積を \(S\) とすると
\begin{eqnarray} S &=& \sqrt{18 \cdot 1 \cdot 8 \cdot 9} \\ &=& 36 \end{eqnarray}
したがって、\(S= \frac{1}{2}r(a+b+c)\) より
\begin{eqnarray} 36 &=& \frac{1}{2} r (17+10+9) \\ 36 &=& 18r \\ r &=& 2 \end{eqnarray}
答.\(2\)
公式の証明
このように、三角形の内接円の半径を求める問題で、公式 \(S= \frac{1}{2}r(a+b+c)\) が大活躍します。
「内接円の半径」ときたら、ほぼこの公式一択といってもいいでしょう。
なお、解答例ではヘロンの公式で面積を出しましたが、もちろんサインの公式で出してもOKです。
では、公式の証明をどうぞ。
この公式に関しては特に成り立ちからちゃんと知っておきましょう。
【証明】
図のように△ABCの内接円の中心をI、半径を \(r\) とする。
$$ \mbox{△ABC} = \mbox{△IBC} + \mbox{△ICA} + \mbox{△IAB} $$
なので、
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2}ar + \frac{1}{2}br + \frac{1}{2}cr \\ &=& \frac{1}{2} r(a+b+c) \end{eqnarray}
(証明おわり)
>Amazonプライム・ビデオ「(r)adius ラディウス(字幕版)」
5 \(S= \frac{abc}{4R}\)
内接円の半径が出てきたので、ついでに外接円の半径を使った公式も紹介します。
$$\frac{\mbox{(三辺の積)}}{4 \times \mbox{(外接円の半径)}}$$
というやつです。
やっぱりというか、外接円の半径を求めるときに使います。
使い方
【ポイント】
- 面積を求めて、\(S= \frac{abc}{4R}\) に当てはめる
- \(cos\) → \(\sin\) と求めて、正弦定理を使う
のどちらか。
【解答例】
\(2s=17+10+9\) とすると
\(s=18\)
よってヘロンの公式より、△ABCの面積を \(S\) とすると
\begin{eqnarray} S &=& \sqrt{18 \cdot 1 \cdot 8 \cdot 9} \\ &=& 36 \end{eqnarray}
したがって、\(S= \frac{abc}{4R}\) より
\begin{eqnarray} 36 &=& \frac{17 \cdot 10 \cdot 9}{4R} \\ R &=& \frac{1}{4} \cdot \frac{17 \cdot 10 \cdot 9}{36} \\ R &=& \frac{85}{8} \end{eqnarray}
答.\(\frac{85}{8}\)
【別解】
余弦定理より
\begin{eqnarray} \cos A &=& \frac{10^2 + 9^2 – 17^2}{2 \cdot 10 \cdot 9} \\ &=& – \frac{3}{5} \end{eqnarray}
0°<A<180°から \( \sin A \) >0、よって
\begin{eqnarray} \sin A &=& \sqrt{1- \left(- \frac{3}{5} \right) ^2} \\ &=& \frac{4}{5} \end{eqnarray}
正弦定理 \( \frac{a}{\sin A} =2R\) より
\begin{eqnarray} R &=& \frac{1}{2} \cdot \frac{a}{\sin A} \\ &=& \frac{1}{2} \cdot \frac{17}{\frac{4}{5}} \\ &=& \frac{85}{8} \end{eqnarray}
答.\(\frac{85}{8}\)
公式の証明
このように、三角形の外接円の半径を求めるには \(S= \frac{abc}{4R}\) か正弦定理を使います。
正弦定理で求まっちゃうので、正直、あまり使うことはないかもしれません。
いちおう知っておくくらいでいいでしょう。
では、証明をどうぞ。
【証明】
△ABCにおいて正弦定理より
\begin{eqnarray} \frac{a}{\sin A} &=& 2R \\ \sin A &=& \frac{a}{2R} \end{eqnarray}
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} bc \sin A \\&=& \frac{1}{2} bc \cdot \frac{a}{2R} \\&=& \frac{abc}{4R} \end{eqnarray}
(証明おわり)
6 \(S= \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{ a } \vert ^2 \vert \vec{ b } \vert ^2 – (\vec{ a } \cdot \vec{ b })^2 } \)
三角形の面積6つめは、ベクトルの公式です。
とくにベクトルの成分がわかっているときによく使います。
使い方
【ポイント】
例題1のように求めてもいいが、ここでは
$$ S= \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{ a } \vert ^2 \vert \vec{ b } \vert ^2 – (\vec{ a } \cdot \vec{ b })^2 } $$
を使ってみよう。
つまり
- \( \vert \vec{ AB } \vert \)
- \( \vert \vec{ AC } \vert \)
- \( \vec{ AB } \cdot \vec{ AC } \)
の3つを求めて当てはめる。
【解答例】
\(\vec{AB} =(2,4)\) , \(\vec{AC} =(4,1)\) より
\( \vert \vec{ AB } \vert = \sqrt{2^2 + 4^2} = 2 \sqrt{5} \)
\( \vert \vec{ AC } \vert = \sqrt{4^2 + 1^2} = \sqrt{17} \)
\( \vec{ AB } \cdot \vec{ AC } = 2 \times 4 + 4 \times 1 = 12 \)
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \sqrt{(2 \sqrt{5})^2 (\sqrt{17})^2 – 12^2 } \\&=& \frac{1}{2} \sqrt{20 \cdot 17 – 144} \\&=& \frac{1}{2} \cdot 14 \\&=& 7 \end{eqnarray}
答.\(7\)
公式の証明
このように、2つのベクトルの大きさおよびその内積がわかってたら、この公式が使えます。
成分表示の場合にはそれら全部がすぐわかるんで、よく使用するというわけです。
平面・空間にかかわらず、ベクトル成分や座標が表示されてる問題で「三角形の面積」とか出てきたら、この公式が使えないかなーと疑うといいでしょう。
では、公式を証明します。
【証明】
図のような△OABで、\(\vec{OA} = \vec{a}\) , \(\vec{OB} = \vec{b}\) とする。
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert \sin \angle AOB \\ &=& \frac{1}{2} \vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert \sqrt{1 – \cos^2 \angle AOB} \\ &=& \frac{1}{2} \vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert \sqrt{1 – \left( \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{\vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert} \right)^2 } \\ &=& \frac{1}{2} \vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert \sqrt{\frac{(\vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert)^2 -(\vec{a} \cdot \vec{b})^2}{(\vert \vec{a}\vert \vert \vec{b} \vert)^2}} \\ &=& \frac{1}{2} \sqrt{\vert \vec{a}\vert^2 \vert \vec{b} \vert^2 – (\vec{a} \cdot \vec{b})^2} \end{eqnarray}
(証明おわり)
[関連記事]
三角比とはなんだ?何の役に立つ?どんな歴史があるの?
7 \(S= \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert \)
三角形の公式、ラストも座標のやつで、
$$ \frac{1}{2} \vert \mbox{外・外} – \mbox{内・内} \vert$$
という感じです。
この公式は三角形の頂点のうち1つが原点にないと使えません。
よって、頂点の1つが原点にくるように平行移動させて使います。
使い方
【ポイント】
$$ S= \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert $$
を使ってみよう。
つまり、頂点Aが原点Oにくるように平行移動させて、使う。
【解答例】
頂点Aが原点Oにくるように△ABCを平行移動すると、
\(O(0,0)\) , \(B'(2,4)\) , \(C'(4.1)\) 。
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \mbox{△OB’C’} \\ &=& \frac{1}{2} \vert 2 \cdot 1 – 4 \cdot 4 \vert \\ &=& \frac{1}{2} \cdot \vert -14 \vert \\ &=& 7 \end{eqnarray}
答.\(7\)
公式の証明
このように、頂点のひとつをムリヤリ原点にもってきて、公式を使うことができます。
3点の座標がわかってる三角形の面積の求め方は
$$ S= \frac{1}{2}ah $$
$$ S= \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{ a } \vert ^2 \vert \vec{ b } \vert ^2 – (\vec{ a } \cdot \vec{ b })^2 } $$
$$ S= \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert $$
という3つがありましたが、このラストの公式が計算はいちばんラクかも。
では、最後の公式の証明です。
方法はいろいろありますが、せっかくなんで公式6から導出します。
【証明】
図のような△OABで、\(\vec{OA} = \vec{a}\) , \(\vec{OB} = \vec{b}\) 、
また \(A(x_1 , y_1)\) , \(B(x_2 , y_2)\) とする。
\begin{eqnarray} & & \vert \vec{a}\vert^2 \vert \vec{b} \vert^2 – (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 \\ &=& (x_1 ^2 + y_1 ^2)(x_2 ^2 + y_2 ^2) – (x_1 x_2 + y_1 y_2)^2 \\ &=& x_1 ^2 y_2 ^2 + x_2 ^2 y_1 ^2 – 2 x_1 x_2 y_1 y_2 \\ &=& (x_1 y_2 – x_2 y_1)^2 \end{eqnarray}
よって
\begin{eqnarray} \mbox{△ABC} &=& \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{a}\vert^2 \vert \vec{b} \vert^2 – (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 } \\ &=& \frac{1}{2} \sqrt{ (x_1 y_2 – x_2 y_1)^2 } \\ &=& \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert \end{eqnarray}
(証明おわり)
[関連記事]
数学の証明ってなに?なんで証明するの?なぜ文字を使うの?
まとめ
公式① \(S= \frac{1}{2}ah\)
…基本。
公式② \(S= \frac{1}{2}bc \sin A\)
…「二辺とその間の角度がわかっている」「三辺の長さがわかっている」ときなどによく使う。
公式③ \(S= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \)
…「三辺の長さがわかっている」ときによく使う。ただし \(s\) がかんたんな値になるときだけ。
公式④ \(S= \frac{1}{2}r(a+b+c) \)
…「内接円の半径を求める」ときによく使う。
公式⑤ \(S= \frac{abc}{4R}\)
…「外接円の半径を求める」とき、たまに使う。
公式⑥ \(S= \frac{1}{2} \sqrt{ \vert \vec{ a } \vert ^2 \vert \vec{ b } \vert ^2 – (\vec{ a } \cdot \vec{ b })^2 } \)
…ベクトル問題、とくに成分表示の問題でよく使う。
公式⑦ \(S= \frac{1}{2} \vert x_1 y_2 – x_2 y_1 \vert \)
…座標問題やベクトル成分表示問題でよく使う。
以上、三角形の面積を求める公式7つでした。
ご意見・ご感想などお待ちしています。
コメント
何の値がわかっている時使えるのか書かれていてわかりやすいです
ありがとうございます
S=a^2・sinA・sinB/2sin(A+B)
が無いですね、わりと便利なのでぜひ。