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家庭学習

わが子の暗記方法はどれがいい?記憶のしくみから具体策まで簡単に解説

投稿日:2017年6月27日 更新日:

前回の記事で予告したとおり、今回は「小学生におすすめの具体的な暗記方法」について解説します。

英単語や漢字、理科や社会など、小学生でもおぼえることはけっこうあります。

そして小学生のうちに効果的な暗記方法を身につけておけば、中学・高校の膨大な暗記量にも対応していけます。

 

ただ「暗記 方法」で検索すると、じつにいろんな具体策があって、わが子にはどれが合うのか迷うこともありますね。

そこでこの記事ではまず、暗記学習に臨む前の前提条件をまとめます。

つぎに人間の記憶のしくみについて、一般的な知識を3つ、わかりやすく解説します。

そして最後に、具体的な暗記方法を紹介していきます。

 

最後まで読めば、どの方法がわが子に合っているのかわかるようになっています

小学生の家庭学習に悩むすべての親御さんの参考にしてください。


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暗記学習に臨む前に・・・整えておくべき条件とは

暗記学習に臨むための前提条件とは、ひとことでいえば「集中力の高まった状態」です。

ろくに集中できない状態で暗記をおこなっても、身につきません。

そこで子どもの集中力を高めるような環境づくりが必要です。

ポイントは3つです。

  • 毎日、決まった場所と時間で
  • 学習の邪魔がない環境で
  • じゅうぶんな睡眠をとった上で

(これらのルール作りについては前々回の記事を参照)

 

ルーティーンが集中力を高める

一流のアスリートを特集した番組をみていると、

「食事やアップは毎日きまった時間」
「アドレスは決まって右手から」
「バス移動の際はかならず左最後尾」

など、ルーティーンをとても大切にしていることがよくあります。

これは決まったルーティーンをこなすことで、試合が近づいているぞという脳のモードになり、自然と集中力を高める効果があるためです。
(と、NHK「仕事の流儀イチロースペシャル」で茂木健一郎さんが言ってました)

学習もおなじです。

毎日、決まった場所で、決まった時間にはじめることで、集中力がグッと高まります

暗記学習をはじめる際には、まず毎日のルーティーンを大切にしてください。

 

なお、前々回の記事でも書いたように、時間帯は夕食後よりも夕食前などの空腹時がおすすめです。

ごはんを食べたあとは脳よりも胃腸に血液が行って、眠くなっちゃいますからね。

ちなみに集中力を高める方法として「逆立ちをする」「半日だけ断食する」などを紹介しているサイトもありましたが、これらも脳に血液を集めるための方法なんですね。

 

学習の邪魔になる音や誘惑を遠ざける

テレビがついていたり、マンガ本が目に入ったり、スマホの着信ランプが光っていたり・・・。

こんな状況ではとても学習に集中できません。

小学生のわが子が家庭学習をはじめる際には、こうした音や誘惑をできるだけ遠ざけてあげましょう

「耳栓をして学習する」という方法が紹介されるのも、邪魔になる音をシャットダウンするためです。

 

また朝早くに家庭学習するのは、こうした雑音や誘惑がないという点で効果的です。

家の周囲の物音も、鳥の鳴き声と新聞配達のバイク音くらいで、さわやかですしね。

朝に強い親子はぜひお試しあれ。


じゅうぶんな睡眠をとる

3つめの環境条件は「じゅうぶんな睡眠」です。

小学生の場合、8~10時間ていど毎日眠ることで、心身の健全な発達と、日中の集中力につながります

暗記学習を効果的なものにするためにも、わが子にはじゅうぶんな睡眠時間を確保しましょう。

なお、子どもを早く眠らせる方法については前々回の記事の5章を参考にしてください。

 

以上、集中力を高めるための環境づくりでした。

こうして集中力が高まった状態で、暗記学習に入っていくことが大切です。

 

 

記憶にかんする3つの知識

つぎに、人間の記憶のしくみについて、基本的な知識を3つ確認しましょう。

この3つの知識をおさえておけば、巷にあふれるいろんな暗記方法についても、そのワケを根本から理解できます。

 

1.複合刺激のほうが記憶に残りやすい

複合刺激とは視覚と聴覚など、2つ以上の感覚がくみあわさった刺激のことです。
映画などの例を思えばいいでしょう。

これにたいして、視覚だけの刺激、聴覚だけの刺激は「単一刺激」といいます。
黙読などがこれに当てはまります。

 

人間は一般的に、複合刺激のほうが記憶に残りやすいのです。

音楽を例に挙げて説明します。

目を閉じて聴いただけではそのメロディを1回でおぼえることはなかなかできません。

でも映画の挿入曲なら、視覚という感覚がくみあわさることで、よりおぼえやすくなります。

そして美味しいコーヒーを飲みながら、ローズマリーの香りただようあの素敵なカフェで、ふかふかのソファにもたれて聴いた音楽なら、味覚と嗅覚と触覚もさらにくみあわさって、そのメロディは記憶どころか「思い出」にまで格上げされます。

このように、記憶するには複合刺激であるほうが効果的なのです。

「歩きながら暗記する」
「利き手じゃないほうの腕をたえず動かす」
「声に出して読みながらおぼえる」

こうした方法が効果的な暗記術として紹介されるのも、すべて複合刺激だからなんですね。

ただ小学生の場合、体を動かしたり食べたり飲んだりすると、そっちに注意がいって集中力が途切れてしまいます。

よって小学生にとって効果的な暗記方法とは、視覚と聴覚(+書くという触覚)をくみあわせたものということになります。

 

2.関連づけされた記憶も残りやすい

1つめの「複合刺激」とも似ていますが、すこしちがいます。

つまり記憶どうしが関連づけされると、長期にわたっておぼえていられるということです。

たとえばわたしたちが「徳川家康」という単語を聞いたとき、頭のなかで関連する記憶が瞬時にいくつか出てくるでしょう。

「江戸幕府」とか、「初代将軍」とか、「関ヶ原の戦い」とか、「たぬき」とか。

こうしたいくつかの記憶が関連づけされているからこそ、徳川家康が何者でどんなことをしたのか、おぼえていられるわけです。

 

よって、小学生がある単語や言葉を暗記しようとする場合、その単語だけ、その言葉だけをおぼえるのではなく、できるだけいろんな知識と関連づけさせることが大切です。

「歴史は流れをおさえる」
「単語だけでなく、その単語をつかった文を書く」
「表にまとめる」

こうした方法がすべて効果的とされるのも、記憶の関連づけをする方法だからなんですね。

 

3.「記憶を保持できる期間」は人それぞれ

3つめは当たり前ですが、何かを覚えていられる期間には個人差・年齢差があるということです。

これはつまり、暗記というインプットをしてから問題を解くというアウトプットをするまでの時間は、人それぞれの能力によってちがっていいということです。

 

小学校低学年や、記憶力が弱いなーという子どもの場合、インプットからアウトプットまでの時間はできるだけ短いほうが効果的です。

3分でおぼえてすぐに問題を解け、というような方法を紹介するサイトもありますね。

この方法は、記憶保持の時間が短い子にとって効果的でしょう。

またすぐに結果につながるので、子どもの自信にもつながるはずです。

 

いっぽうで、記憶力がある子の場合、インプットからアウトプットまでの時間を短くすると逆効果です。

せっかく長期間おぼえていられる能力があるのに、その能力を使わないので、結果的に記憶力が衰退してしまうからです。

記憶力の良い子ほど、数時間後や、翌日、場合によっては2日後など、できるだけ長期のスパンにしたほうがいいでしょう。

東大生が「夜におぼえて翌日に試す」という方法を紹介したりしますが、これも記憶力が良いからこそできる方法です。

 

いまのお子さんの記憶力にあわせて、インプットとアプトプットのあいだの期間を設定することが大切です

一概には、言えないんです。

 

 

わが子にあった暗記の方法

以上の知識をふまえたうえで、最後に具体的な暗記の方法を4つ紹介しましょう。

 

声に出しながら、書いて、おぼえる

まず1つめは、英単語や漢字などを「声に出しながら書いておぼえる」方法です。

「study」という単語を見ながら、「スタディ」と発音しつつ、スペルを何度も書く。

「競争」という漢字を見ながら、「きょうそう」と読みつつ、正確に何度も書き写す。

こうすることで、視覚+聴覚+触覚の複合刺激となり、記憶に残りやすくなります。




ただ子どもによっては、一度に2つ以上の動作を同時におこなうことが苦手な場合もあります。

そういう子には、まずは声に出すだけ、あるいは書くだけからはじめさせるといいでしょう。

どちらがいいかは、その子が聴覚優位なのか触覚優位なのかによってちがってきます

見分ける方法のひとつとして、こんなのがあります。

 

「3.141592653」という円周率のはじめの10ケタを30秒でおぼえなさい、と指示を出し、子どもがどのようにおぼえようとするか観察します。

もし「さんてんいちよんいちごきゅうにー・・・」というように声に出していれば、その子は聴覚優位でしょう。声に出す方法からはじめさせてください。

もしノートとペンを用意してひたすら書いておぼえようとしていれば、その子は手先からの触覚優位でしょう。書く方法からはじめさせてください。

一般的には声に出す子が多いようです。


 

英単語や漢字は文をつくっておぼえる

2つめの方法は、英単語や漢字などを「文章をつくっておぼえる」というものです。

「study」だけを練習するよりも、「I study English for twenty minutes every morning.」と練習する。

「競争」という熟語だけをおぼえるよりも、「昨日は友だちと給食の早食い競争をした」と書く。

こうすることで、「study」や「競争」という言葉がほかの知識と関連づけされて、より記憶しやすくなります。

ついでに作文の力も伸びますね。

 

ただ、小学生がいきなり自分で文をつくるのは難しい場合もあります。

最初は親御さんがてきとうな文を言ってあげて、それを書いたり、英訳したりしてもいいでしょう。

理科や社会は図表とセットでおぼえる

3つめは「図や表を使っておぼえる」という方法です。

とくに理科や社会に効果的。

たとえば心臓の断面図を描いて、右心房や左心室などの名称を書きこんだり。

また日本地図上に都道府県名と県庁所在地名を書きこんだり。

こうすることで、やはりほかの知識とイメージをともなって関連づけされるので、記憶に残りやすくなります。

 

ただ小学生が自分で図や表を描くのはむずかしいので、暗記用のプリントを用意してあげるといいでしょう。

最近は書店にもいろいろ図表付き問題集がありますし、ネットにも無料の暗記用プリントがたくさん載っています。

ダウンロードして印刷するだけですので、ぜひ使ってみてください。

いちおう、有料の問題集もひとつだけ紹介しておきます。

 

定期的に「まとめのテスト」をする

最後に、「定期的にまとめテストをする」方法を紹介します。

これはたとえば、1日2コの英単語をおぼえているならば、週末に12コまとめて書けるかテストをする。

またたとえば、1週間で10都道府県ずつおぼえているならば、月末に47都道府県すべてを書けるかテストする、などの方法です。

こうすることで、短期記憶が長期記憶へと変換されていきます

つまりより長くおぼえていることができるようになるのです。

 

まとめテストをする期間は、その子の記憶力にあわせておこなうといいでしょう。

まだ記憶保持期間の短い小学生なら、2日に1度、3日に1度ていどおこなうといい。

逆に記憶保持期間の長い小学生なら、数週間に1度、場合によっては月に1度でもいい。

このあたり、わが子の記憶力にあわせて、フレキシブルに設定してください。

まとめ

ここまで小学生の暗記方法について解説してきました。

まとめると次のとおりです。

①暗記学習に臨む前に…

  • 毎日決まった時間と場所でする(できれば空腹時に)
  • テレビやスマホなど、学習の邪魔になるものは遠ざける
  • じゅうぶんな睡眠をとる

②人間の記憶とは…

  • 複合刺激ほど残りやすい
  • 関連づけされた記憶ほど残りやすい
  • 記憶保持期間には年齢差・個人差がある

③小学生におすすめの方法は…

  • 声に出しながら、書いて、おぼえる
  • 英単語や漢字は文をつくっておぼえる
  • 理科や社会は図表を活用する
  • 定期的にまとめテストをして長期記憶へ変える




ただ前回の記事でも書いたように、小学生の家庭学習としてあれもこれもさせるのは得策じゃありません。

紹介した暗記方法は主に英単語の暗記に利用して、あとの時間は読解力と計算力アップのためのトレーニングに使うといいでしょう。

もちろん中学受験をする場合は理科や社会の暗記もかなり必要ですが。

以上、小学生におすすめの暗記方法でした!

 

次回は「集中力をアップさせる方法」について解説します。

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