前回のつづきです。
(前回の記事はこちら9割の日本人は英語を使わない!でも英語教育が必要なただ1つの理由)
なぜ英語教育が必要なのか?それは
- たとえ9割の日本人が英語を使わなくても、のこり1割が使う
- その「1割の人たち」のために、英語教育は必要
- なぜなら、その1割の人たちがいろんな分野で活躍するから
- それでわたしたちの生活をもっと豊かにしてくれるから
ということでした。
じゃあ実際、その1割ってどんな職業の人たちなの?
わたしたちの生活にどうかかわってんの?
けっきょく、うちの子が英語を勉強する必要はあるの?
この3点について、みていきましょう。
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英語を使う職業ってなんだ!?
大人になって働きだすと、ほかの職業の内容ってぜんぜんイメージできないですよね。
そこで、日常的に英語を使う職業を、つぎの5分野別にまとめてみました。
- 海外との取り引き
- 航空と旅行・観光
- 翻訳・通訳
- 教育や国際協力
- 研究
子どもの夢や目標と照らしあわせて、参考にしてください。
ちなみにここでいう英語とは、日常会話より上のレベルを指します。
つまり、英検準1級以上、TOEIC700点以上、TOEFL70点以上あたりの「仕事でバリバリ使う英語」だと思ってください。
海外との取り引き
商社
入社試験でも、昇進や海外赴任するためにも、「TOEIC700点以上」などの基準があります。
伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、丸紅などの会社が有名ですね。
大手企業の一部署
営業や人事、法務や労務などで海外勤務になったり、秘書などに配属されたら英語が必須です。
トヨタ、NTT、日立など、みんなが知ってる会社ほど可能性は高まります。
海外と取引の多い会社
たとえば数年前にバーで知り合ったおっちゃんは、下町のちいさな工場の社長さんでしたが、NASAからロケット部品の発注を受けていました。
こうした会社でも、英語でメールのやりとりといったスキルが必要になります。
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航空と旅行・観光
パイロットとキャビンアテンダント
英語で機内アナウンスしたり、外国人観光客をサポートしたりしますもんね。
とくに国際線勤務になるなら、高い英語力が必要になります。
航空管制官
この人たち、パイロットへの指示とか、すべて英語でおこなうんです。
だから航空管制官になりたい人も、やはり英語力が必要になります。
ツアーコンダクター
日本人を海外に連れていくときと、外国人を日本各地に案内するときと、どちらも英語が必要です。
ホテルスタッフ
外国人に英語で対応しなければいけないですもんね。電話もメールもです。
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翻訳・通訳
通訳
もちろんテレビ以外でもいろんな分野で仕事があります。
また同時通訳なんてのもありますが、いずれにしても高い能力が必要です。
文章の翻訳
文学やニュースから、医療系の専門的な本まで、あらゆるジャンルの翻訳業があります。
最近はクラウドソーシングがさかんなので、主婦の副業としても人気です。
映画の翻訳
英語を聞き取る能力はもちろん、わかりやすい日本語になおす能力も求められます。
たとえば高瀬鎮夫(たかせしずお)という翻訳家は、「Here’s looking at you, kid.」というセリフを「君の瞳に乾杯」と訳しました。
教育や国際協力
日本語教師
日本語ということばを英語で教えるという、むずかしいスキルが求められます。
ただ需要はあります。なぜなら近年、アニメやマンガなどの日本文化が広まって、世界中に「日本語を学びたい」という人が多くいるからです。
留学コーディネーター
留学先の高校や大学、行政機関などとやりとりする場合は、高い英語力が求められます。
国際協力をおこなうNPO、NGO
NPOやNGOとは、かんたんにいうと、お金をもうけることより人助けを優先する民間団体です。
ジャンルはさまざまで、病気を治療したり、井戸や学校を建てたり、農業したりと、自分の得意な分野で活躍できます。
そして海外に行く場合のほとんどで、英語が必要になります。
研究
大学の教授
大学教授のおもな仕事は研究成果を論文として発表することです。そしてこの論文を英語で書かないといけません。
とくに理系の研究だと、世界的に有名な科学雑誌に論文が載って、はじめて評価されます。
だから専門的な内容を英語でじょうずに書ける能力が必要になります。
企業の研究職
大学教授が大学から給料をもらうのにたいして、企業の研究職は企業から給料をもらいます。
まあやってることはそんなにちがいません。
だからやっぱり、英語で論文を書いたり、英語の論文を読んだりする能力が必要です。
以上、
- 海外との取り引き
- 航空と旅行・観光
- 翻訳・通訳
- 教育や国際協力
- 研究
という5つの分野別に、「英語を使う職業」をみてきました。
子どもがもし将来、こうした仕事に就く場合には、英語が必要になるでしょう。
英語をつかう仕事が、わたしたちの暮らしをよりよくする
とはいっても、こうした5分野の仕事をしている人は、日本人のごく一部です。
おそらく1割もないでしょう。
でも、この1割の人たちが、わたしたちの暮らしをよりよくしているんです。
もし日本に英語を使える人がいなかったら…
たとえば、日本に商社がなかったら、石油の輸入がストップして、発電できなくなります。
だからわたしたちは電気のない暮らしをしなきゃいけません。
パイロットがいなければ海外旅行もできません。
翻訳家がいなければハリウッド映画もぜんぶ字幕なしで見なきゃいけません。
海外で活動するNPOやNGOがなかったら、日本は世界からすこしも感謝されません。
そして日本の研究者たちの努力がなければ、製品も、技術も、ぜんぶ輸入しないといけません。
つまり自動車はぜんぶ左ハンドルで、家電はぜんぶ英語の説明書で、薬はめっちゃ高価で、イルミネーションは裸電球で、人工衛星もないからカーナビも天気予報もまちがいだらけになります。
まあこれはちょっと言い過ぎですが…。
とにかく、英語を使って仕事をしている人たちが、わたしたちの暮らしをよくしてくれているんです。
そしてこれから先も、「英語を使える」1割の人たちがこの社会をもっと快適にしてくれるでしょう。
英語という能力も、社会を成り立たせる要素のひとつ
一部の人たちがある分野で、この社会に多くの貢献をしている。
これはなにも英語にかぎったことではありません。
それぞれの職業の人たちが、それぞれの分野で、この社会におおきな貢献をしています。
たとえば医者は日本人の0.3%しかいませんが、日本人すべてにとって大切な職業です。
またシステムエンジニアは人口の0.2%ほどですが、かれらの能力がなかったら、スマホのアプリもないし、会社の勤怠管理もできません。
英語もまた、こうした例と一緒です。
英語を使える人は1割ていどだけど、かれらのおかげでこの社会は成り立ってるんです。
だから、こうした人たちを育てるために英語教育は必要だと考えます。
だって、医者になるのは0.3%だけなのに、小学校から理科で生物を学ぶでしょ?
99%以上の子どもがシステムエンジニアにならないのに、全員パソコンを習うでしょ?
みんな機械設計の仕事をするわけじゃないのに、みんな算数・数学は勉強するでしょ?
社会とか国家から見た場合、教育ってそういうものです。
社会・国家にとって役立つ人材を育てるために、とりあえずみんな勉強させて網にかけるんですね。
これが、英語教育が必要であるただ1つの理由なんです。
それで結局、うちの子には英語をさせるべきなの?
社会とか国家から見た場合、英語教育が必要であるというのは先ほど言いました。
じゃあ、個人から見た場合、つまり子ども本人にとって「英語を勉強すること」に意味はあるんでしょうか?
将来的に1割の人しか使わないのに、1/10の確率にかけて、早いうちから必死で勉強させていいんでしょうか?
またちょっと長くなったので、こうした疑問は次の記事でみていきます。
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