幼児から高校生まで、出会った子ども1万人以上のジュウゴです。
今回は子どもの集中力を高める方法を紹介します。
(前回までの「家庭学習」に関する記事はこちら↓)
「うちの子、集中力がなくって」
「勉強をはじめてもすぐにソワソワする」
「授業中の集中力がないと先生からよく言われる」
こんな小学生・中学生を持つ親御さんに、さっそく試してほしい方法が1つだけあるんです。
それは・・・
視線を固定すること。
どういうことか、くわしく解説していきますね。
集中している状態=視線が固定している
子どもにかぎらず、およそ人間が集中している状態というのは、視線が固定されている状態です。
ゲーム画面に見入っている・・・
テレビ画面にくぎづけ・・・
投手をにらみつけている・・・
指揮者のタクトが動くのを注視・・・
すべて視線を固定して、一瞬たりとも見逃すまいと集中しているわけです。
じゃあ逆に、視線を固定したら集中できるんじゃないか。
これが私の発想でした。
もともとは障害児指導の現場において、ある先生が自閉スペクトラムの児童たちにたいして視線を固定させていたのを見たのがきっかけです。
それから私はおちつきのない幼児にたいして、
やんちゃで座れない小学生にたいして、
学力不振で不登校気味の中学生にたいして、
おなじような方法を実践してきました。
結果、90%以上の子どもたちが集中力を高め、学力を上げていきました。
これから紹介する方法はすべて、「視線を固定させる」という方法論にもとづいています。
とくに勉強のできない子、なかなか勉強しない小学生、勉強にたいしてヤル気のない中学生にたいして、とっても効果的な方法です。
ぜひおためしください。
①姿勢を良くする
視線を固定するためには、姿勢を正すことがなによりの近道です。
体が動いたり、頭がキョロキョロできるような姿勢では、視線も固定できません。
とくに幼児や小学生の集中力を高めるには、まず勉強時の姿勢を良くすることからはじめるといいでしょう。
足をブラブラさせないこと
イスに座って勉強をする際に、足をブラブラさせる子どもをたまに見かけます。
とくに幼児や小学校低学年では、イスが高いと床に足が届かないので、どうしてもブラブラしてしまいます。
足がブラブラすると、それにあわせて体も揺れるので、視線が固定できません。
家庭学習の際には、足置きのあるイスにするか、低いイスを使うか、または床に正座させて、足元から固定させましょう。
どうしてもリビングのイスでは足が届かない、という場合には、足置きを置くという工夫もあります。
以前の記事でも紹介しましたが、お風呂用のイスが安くていいそうですよ。
イスに深く腰かけさせること
イスに浅く腰かけていると、すぐに立ち上がれてしまいます。
これではちょっとしたことですぐ立ち上がったり、また座ったりと、とても視線の固定どころじゃなくなります。
家庭学習の際には、ひざ裏がイスの角にフィットするように、しっかりと深く腰かけさせましょう。
ただ幼児や小学校低学年の場合、背もたれと背中のあいだが空いてしまうこともあります。
そんなときは、クッションをはさんであげるといいでしょう。
そしてジュウゴが個人的におススメするイスはこれ↓
このイス、ひざをクッションに載せるので足がブラブラしない。
背もたれがないけど、前傾姿勢の座面なので、背筋がピンと伸びる。
そして実際に座ったらわかりますが、かんたんに降りられない!
まさに子どもが勉強に集中するためにあるようなイス。
幼児にはすこし大きめですが、小学生~中学生にはおススメです。
机とおなかの間はこぶし1個分
机と体との距離も大切です。
あまりに離れていると、体が横を向けてしまい(↑のようなイスじゃない場合ですが)、すぐに視線が別の方向にいってしまいます。
机とおなかの間の距離は、こぶし1個分くらいに保ちましょう。
以上3つの点に気をつけて、子どもの学習姿勢を良くしてあげてください。
自然と視線の固定につながります。
②1点を凝視させる
体の姿勢が良くなっても、頭がフラフラしていたら視線は固定されません。
また中学生以上になると、姿勢のことをとやかく言われるのは嫌がるものです。
そんなときは「1点を凝視させる」方法がおススメです。
視線が定まるので、自然と頭のフラフラもおさまりますよ。
目の前の1点を10秒間見つめる
たとえば子どもの目の前に自分の人差し指をもっていって、「この指を10秒間だけ見てて」と言ってみてください。
そしてじっさいに「いーち、にー、さーん・・・」と数えてみましょう。
お子さまは10秒間、目を離さずに見つづけることができましたか?
もしできたなら、「じゅう」と数え終えたときの子どもは、すでに集中力の高まった状態です。
そのまま学習に臨ませましょう。
もしできないなら、子どもは勉強にも集中することはできません。
まずは集中力を高めるためのトレーニングが必要です。
指よりも大きいもの、たとえばしゃもじやうちわなどを、まずは10秒間見つめつづけられるようにしましょう。
じつはこの方法が、障害児指導の現場でジュウゴがじっさいに目撃した方法なんです。
幼児や小学生、また障害児であっても、集中力を高めるのに有効な方法です。ぜひ試してみてください。
遠くの1点を見つめる
小学校高学年や中学生(の普通児)であれば、1点を見つづけることは容易なはずです。
しかしそんな子でも、集中力のあるときとないときがありますね。
そんな場合、近くのものよりも、すこし遠くのものを凝視しつづけることで、集中力が格段に高まります。
たとえば窓の外の景色。
花壇にある花や、空にうかぶ雲のなかのひとつ、遠くの山頂や、工場のえんとつの中の1本を、10秒間くらい見つめましょう。
そして視線を机の上にもどします。さっきよりも集中できているはずです。
景色より近いものでもかまいません。
壁にかかった時計や、カレンダー、天井のしみや、棚にあるオブジェを、やはり10秒間くらい凝視しましょう。
それから視線をもどせば、やはり頭の中がさっきより静かになっているはずです。
これ、野球選手のイチローがバッターボックスで毎回している動作とおなじです。
イチローは構える前にバットを立てて、バットの先にあるバックスクリーンのスコアボードを数秒間見つめるそうです。
そこから投手に視線をもどすと、集中力が極限まで高まるそうな。
年齢や発達段階にあわせて、以上の2つの方法を使いわけてみてください。
きっと勉強に臨む姿勢がガラリと変わります。
もちろん授業中の集中力アップにもつながりますよ。
まとめ
小学生、中学生の集中力を高めるには・・・
- 勉強に臨むときの姿勢を良くする
- 1点を凝視する
たったこれだけです。
これだけの方法で、子どもの集中力が劇的に高まります。
私はこの方法を継続的にやった結果、おちつきのなかった幼児が自力で本を読めるようになり、多動と言われた小学生が1時間以上机に座れるようになり、定期テスト30点台だった中学生が5教科とも70点を超えるようになりました。
いま子どもの勉強に悩んでいる方、とくに集中力のなさに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
もういちど言いますが、ポイントは「視線を固定すること」です。
ご家庭で、教育現場で、それぞれ参考になれば幸いです。
(ちなみにこの記事のタイトルはジュウゴの大好きな小説から取りました。ご存知のとおり、これです↑)
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